日本時間の811日の夜から12日の早朝にかけて、ロンドン五輪はまたまた感動のシーンがたくさんあった。

まずは、ロス五輪以来の28年ぶりに銅メダルを獲得した女子バレーボール。

ご存知のように、女子バレーボールは東京五輪から採用され、東京、メキシコ、ミュンヘン、モントリオール、(モスクワは不参加)、ロサンゼルスとメダルを獲得し続けた。

したがって、「日本のお家芸」と言われた。

私がリアルタイムで意識して五輪で女子バレーの試合を見たのは1976年のモントリオールからだが、「女子バレーは強い」と植えつけられて育ったので、1988年のソウルで4位となりメダルを逃した時は、テレビの前でぼうぜんとした記憶がある。

セッターの中田久美選手が泣きじゃくっている姿が印象的だ。

しかし、ソウル以後は、バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京とメダル争いにすら絡んでこなかった。

だから、30代前半以下の世代には「女子バレーが強い」というイメージは殆どないだろう。

日本は、ランキングこそ「世界5位」であったが、正直、今回もメダルは期待されていなかったと思う。

メダル獲得のポイントは「決勝トーナメントで中国に勝ったこと」だ。

対戦成績からすれば、分は悪かったし、リーグ戦で4位になればアメリカと当たっていたから、決勝トーナメント初戦敗退であった。

しかも、ラッキーなことに3位決定戦は韓国。

韓国には、ここ数年、直前の最終予選を除いて負けていない。

個人的には「3位決定戦が韓国」に決まった時点で、「ほぼ銅だ!」と思った。

今回の銅メダル獲得は、セッターの竹下選手やリベロの佐野選手といったこれまで日本を引っ張って頑張ってきたベテラン陣への神様のご褒美じゃないかと思う。

ちょっと話が「精神論」なので、勝因を科学的に考えれば「データバレーの勝利」であろう。

もちろん、データがすべてではないし、ギリギリの最後は「気持ちに勝るものはない」と言えるだろう。

しかし、「勝利確率」で選手起用を考えた場合は、データをもとに判断を下す方が確実である。

韓国戦に関しては、相性のいい「迫田選手」を起用したことで、木村選手より高い決定率となり、勝利に繋がった。

そして、東京五輪以来の48年ぶりに金メダルを獲得したボクシングミドル級の村田諒太選手。

ミドル級は海外の層は厚いが、日本人選手は少なく、練習パートナーを見つけるのにも苦労する階級である。

村田選手は世界ランキング2位だったので、メダルが期待はされていたが、「圧倒的に強かった」わけではないから「キビシイかな」と個人的には思っていた。

しかも前日に銅メダルを獲得した清水選手同様、採点競技で、かつ、レスリングのようにビデオ判定もないので、微妙な試合だとどう転ぶかわからないと思ったのだ。

これで、ロンドン五輪のメダル総数は37個。

これまでの史上最多だったアテネ五輪にメダル総数では並んだという。

金メダルは目標の15個に遠く及ばなかったのだから、最終日のレスリングと男子マラソンでメダルを積み重ねて「メダル総数は過去最高」として有終の美を飾って欲しいものである。