先週、今週は「ロンドン五輪週間」なので、ブログネタも「政治ネタ」は避けようと思っていたが、ロンドン五輪も終盤戦に差し掛かった今、「平和の祭典の象徴である五輪」に国同士の紛争問題が持ち込まれた。

すでにメディアが報じている通り、2012810日に韓国の李明博大統領が「島根県の竹島」に不法侵入した。

李大統領の竹島上陸計画は、以前から計画されていたそうで、日本政府は「中止要請」を申し入れていたと言うから、「強行上陸」というしかない。

「めちゃくちゃ冷静な目」でみれば、森本防衛相ではないが「内政上の理由」が李大統領の上陸理由であろう。

なぜなら、李大統領は、私の認識では、これまでの発言や行動から、親日家である。

「竹島に大統領として不法上陸」すれば、日本側からの大反発が出ることは分かっているわけで、日本との関係悪化を望んでいないのに、敢えて上陸したのは「国威高揚」と「国内でどんどん高まっている反日感情のガス抜き」でないかと思う。

つまり、李大統領は、個人的な本心とは別に「この時期に敢えて竹島に上陸せざるを得なかった」のだろう。

それにしても、韓国が「この時期の李大統領の竹島上陸」を敢えて選んだのは、「偶然」ではなく「意図的」であろう。

というのも、810日はロンドン五輪の男子サッカー3位決定戦で日本対韓国戦が行われ、11日は女子バレーの3位決定戦で日本対韓国戦が行われるからだ。

したがって、日本と韓国の注目度は抜群!
そこに「竹島問題」をぶつけ、ついでに、「世界に竹島は韓国の領土」という印象を受けつけたかったのだろう。

日本人として「李大統領の竹島不法上陸」は、心穏やかな話ではないが、韓国は戦略的に動く国だな、と思う。

話しを「竹島問題」から「男子サッカー3位決定戦」にするが、こちらも、韓国の戦略が光っていた。

敗戦した日本代表のFWの永井選手は、

「蹴るだけのサッカーに負けたのは悔しい。落ち着いてつなげば崩せると思っていた」

「自分たちFWがどんな状況でも点を取れるように成長しないといけない。それが韓国との差だと思う」

と記者会見で話したというが、客観的にはわかっちゃいないな、と思う。

サッカー観戦好きの素人がプロの日本代表に向かって意見するのは恐縮だが、韓国の2得点(日本からすれば2失点)はいずれも、パスミスを韓国に拾われて、そのままシュートを決められたというもの。

1点目も2点目も「やらなくてもいい失点」だった。

韓国は「日本得意のパスサッカー」を封じるために徹底して、敵陣へのパスコースを切り、日本のMFFWのマークをきつくした。

その結果、ピッチ状態が悪いことも重なり、パスは全く通らないし、精度の高い清武選手ですら、パスミスが多かった。

つまり、韓国は「ゴールまでのパスコースを徹底して防ぎ、パスミスでこぼれたボールをゴールまでFWが運ぶ」ということに徹したのである。

これが「敗戦の主原因」であるが、「落ち着いてつなげば崩せると思った」という永井選手の発言は、「この試合の振り返りが甘いし、なぜ負けたのかが分かっていない」と申し訳ないが思う。

韓国サッカーを「単に蹴るだけ」と評するなら、永井選手のサッカーは「単に足が早くてボールを追い回しているだけ」だ。

永井選手は「足が速い」という類まれな能力があるのだから、もうちょっと冷静に戦況分析する能力と相手の戦術に対応するだけの思考力が必要である。

それにしても、韓国は、現時点(811日)で、国別メダルランキングでも、金メダル13個で堂々の5位。

これも、中身を見れば、アーチェリーや柔道、テコンドーなど「アジア人でも身体能力的に勝負できる種目」を「国を上げて重点強化」しているからである。

「国際的に一流国家である」とのイメージを世界に受け付け、自国民に自信をつけさせる戦略も「一流」だなと思う。