ロンドン五輪も残すところ、あとわずかとなりました。
大会前に、日本オリンピック委員会(JOC)が当初目標としていた金メダル数は確か15個。
それが、現在(8月10日午前6時時点)では金メダル5つ。
メダル総数では、銀や銅メダルが予想以上に多く、トータルのメダル数は、
JOCが予想した24個前後を上回り35個ぐらい(現在33個)になるだろう。
金メダルが増えたかった最大の原因は「柔道」で、メダル総数が多くなっているのは「競泳陣やアーチェリー、バドミントンなど」である。
柔道に関して言えば、「今の柔道は面白くなくなった」という人もいて、わたしもそう感じる面は日本人としてあります。
ただ五輪種目となり「柔道からJUDO」になったことで、スポーツの進化論的に考えれば、「これが競技スポーツとしての国際化」だから仕方がないだろう。
日本人が「柔道が面白くない」と感じる理由は、
◇組み手争いばかりで面白くない
◇きちっと組まれないように腰を引いて構える選手ばかり
(見た目が美しくない)
◇「技そのもの」の優劣より「仕掛けられた技を返す」パワーで勝負が決まる
◇判定が不可解である(例:旗判定など)
などが挙げられるでしょう。
国際柔道連盟もその辺は課題としており、「ポイントをセコセコ稼ぐレスリングのような試合運び」は「柔道に非ず」としてポイント区分の「効果」が無くなった。
しかし、「効果」が無くなったことで「試合全体で評価する旗判定」は、不透明な評価方法で、客観的には「えっえー」という判定結果もあった。
他の格闘系競技を見ていて思ったが、柔道には「選手やセコンドが試合中に判定に不服を申し立てるチャンスが正式にはない」のだ。
日本人の美意識として「審判の判断は絶対」と考えるが、レスリングも「騎士道」に通じるフェンシングでも選手やセコンドによるビデオ判定を促すアピールがあるのだ。
もちろん「アピール回数」は各競技で決まっているが、フェンシングとはあんなにもアピール種目だとは思いませんでした。
しかも、結構、審判が最初に下した判定が覆るんですよね。
レスリングの場合は「チャレンジ」といってビデオでの再判定が要求できるが、認められなかった場合に1ポイント相手に加算される、というのはシステムとして面白い。
レスリングの場合、試合の流れが止まると「不利な体勢から試合再開というペナルティ」が化されるが、柔道も、「指導」という反則ポイントではなく、「相手に不利な組み手をさせて試合再開」というルールがあっても面白い気がする。
もちろん、こうなると、もはや「武道」ではないが、「JUDO」という「競技」であるという立場に立てば、「選手アピールによるビデオでの再判定」など観客目線で競技ルールを大胆に見直しても面白い気がするのである。
アーチェリー競技も以前は、30m、50m、70m、90mのトータル点数で競う競技だったが「盛り上がりに欠ける」ということで、決勝ラウンドは、「70mでの勝ちぬきトーナメント戦」になったのだ。
このように「柔道」も観客目線でルールを見直してもいいのではないかと思う。