サッカーは球技種目の中でも「番狂わせ」が起きやすい競技だと言う。
確かに、野球やバレーボール、バスケットボールなどは、明かなレベル差がある時は、ほとんど「下馬評通りの結果」になる。
しかし、サッカーの場合は、「もしかしたら・・・」がある。
ロンドン五輪女子サッカー準決勝の日本-フランス戦も、日本がランキング上位で昨年のワールドカップ覇者とはいえ、後半の試合展開は防戦一方。
ゲストコメンテイターの明石家さんまさんが「日本人が好きな「おしんサッカー」でしたね」と評していたが、まさに「守り切った勝利」だった。
日本の2得点は、ふたつとも、セットプレーからの得点。
1点目は、宮間選手が蹴ったボールを大儀見選手がキーパーがこぼしたボールを足で強引に押し込み、2点目も宮間選手が蹴ったボールを阪口選手が頭で合わせてゴールに吸い込まれ手の前半戦での得点。
しかし、後半は、前半のように日本がボールを支配することはできず、ずっと敵陣での守り。
後半になって、大野選手を安藤選手に、阪口選手を田中選手に選手交代したが、流れはまったく変わらなかった。
今大会は、後半で大野選手の代わりに安藤選手を投入する機会が多いが、どうも大儀見選手と安藤選手のコンビネーションが悪い。
大儀見選手がワールドカップと比較して好調なので、コンビネーションの合うFWと組ませなければ、効果を発揮しないように思う。
後半の失点は、パスミスやスルーミスが基点になっている。
不用意というか苦し紛れに蹴りだしたボールを相手に拾われて、そのままシュートされるというシーンは山ほどあった。
今のフォーメーションは崩したくないかもしれないが、沢選手と阪口選手はアメリカにも研究されつくされているので、決勝は、意表をついた布陣で先制点を奪い、後半に経験のある沢選手などを投入する展開もありかな、とシロウト的には思う。
ただ、ツキは日本にまだある。
フランス戦では阪口選手がPKを取られ、同点になってもおかしくなかった。
それにしても、「アメリカが圧倒的勝利」と思っていましたが、何があるか分かりません。
あんなにもカナダが健闘するとは。
延長に入るまで、常に先行していたのはカナダだった。
決勝では、運動量が落ちたところで、パスミスさえしなければ、日本は攻めながら守りきれるだろう。
佐々木監督が、これまでの戦況を分析して、どのように決勝戦の作戦を組んでくるのか、楽しみである。