ロンドン五輪の報道がトップニュースとなっているので、少し陰に隠れている感があるが、2012年8月2日の未明に宮城県白石市の東北自動車道を走行していたツアーバスがトラックに追突し31人が負傷した事故が発生した。
2012年8月2日付の読売新聞(電子版)によると、
◇バス運行会社は成田市に本社がある「クルージングワールド」
◇クルージングワールドの運行計画では、乗務時間が10時間を超えて11時間半になっていたことが特別監査でわかった
◇国土交通省の7月20日の新基準で定められた夜間の上限時間は10時間と規定されている
◇新基準では交代要員が必要な上限距離は400キロとなっているが、今回のルートは396キロだった
という。
つまり、今回のツアーは、夜間の走行距離としては「交代要員は必要なかった」が「運行時間からは交代要員が必要だった」が「クルージングワールドは交代要員を手配した運行計画ではなかった」ということになる。
憶測であるが、クルージングワールドは「400キロ」は考慮して計画していたが「10時間以内」は頭から抜けていたのだろう。
もちろん、今回の事故は「運行計画自体」が「国交省の定めた新基準違反」ではあるので、「クルージングワールド社の運行管理責任者の再教育」といった対応は必須となるだろう。
しかし、仮に「国交省の新基準を順守していたから事故が起きなかった」と言えるかどうかは微妙であろう。
やはり、ポイントは「健康管理」だ。
事故を起こした多田進運転手(61)は、2ヶ月前に脳梗塞で入院し、医師から車の運転をやめるように忠告を受けていたとも言われている。
クルージングワールドの伊地知晴之専務は、メディアに対して「出発前の点呼では、体調の悪い様子はなかった。入院は、血が詰まる可能性があるためだった。5月17日の退院後、別の病院で健康診断を受けた。問題がなかったので、5月24日から復帰させた」と話しているらしいが、このプロセスが本当に問題なかったと言えるかどうかである。
「他の病院で健康診断を受けて問題なかった」と判定されてはいるが、たぶん、通常の健康診断では、脳梗塞に伴う運転能力の診断は医師といえども、専門に扱っている医師でなければできないであろう。
自動車事故に関しては「てんかん」問題をはじめとして「病歴管理」と「病歴から運転ができるか否かを的確に診断できる専門医」について、運転免許制度などの仕組みを改善する必要があると思う。
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