話は少し逸れるが、「食べ過ぎ問題」が「病気の原因」という具体的なデータとしては、「食事の欧米化によるガン発症の変化」がある。
石原さんによると、「昭和35年以降、日本人の食事が欧米化し、病気のタイプも欧米化した」という。
つまり、日本の高度経済成長期に、日本は豊かになり、食文化が欧米化し、それ以前と比較すると「肉の摂取量が10数倍」、「卵や乳製品も10~20倍と増加」し、逆に「米や芋類の摂取が50%以下に減少」した。
その結果、ガン患者も、それまで日本人に多かった「胃ガン、子宮頚ガン」が減少し、「肺、大腸、乳、卵巣、子宮体、前立腺、すい臓などの欧米型のガン」が激増した。
したがって、このことから「食物が病気を規定する」という仮説が導き出されるのだ。
さて、「食事と病気の関係」はここまでにして「空腹力」を鍛えるとどうなるのか?に話を戻すと、これも結論からいえば、
◇血糖値が安定する
(血糖値が不安定になると虚脱感、空腹感を生み急激なパフォーマンス低下になる)
◇酵素と常在菌が活性化して「筋力」「酸素摂取量」「神経系の発達」につながる
というのだ。
確かに、皮肉なことに、日本は戦後、豊かになり「飽食の時代」となったが、そのことが逆に「常に空腹を満たせる社会環境」となり、人間の「五感」が鈍くなり、人間が本来持っている機能が発揮されなくなっているわけだ。
月刊誌「ランナーズ(7月号)」によれば、「最低限の空腹の底力」を発揮させる方法10項目が掲載されていた。
その10項目とは
(以下、ランナーズより引用)
◇よく噛んで食べる
◇仕事や家事に全力投球する
◇ジャンクフードは食べない
◇脂肪の多い食事、精製された食品は食べ過ぎない
(白米より玄米や雑穀枚、穀類を増やす)
◇植物性たんぱく質を食べる
◇旬な食材を食べる
◇食事の内容は彩り豊かにする
◇長い期間、地方に行く時はご当地ものを食べる
◇走る5~6時間前に食事を済ませる
◇走る2~3時間前からはカロリーのあるものを口にしない
(引用ここまで)
だそうだ。
ランナーズの記事によると、さらに「空腹力」を向上させるためには、
◆1日2食の日を定期的に設ける
◆週末2日間でプチ断食をする
◆薄味と温かいものの一汁一菜の実行
だそうである。
ちなみに、「空腹力のチェック項目」であるが、私の場合、上記10項目のうち、8項目が実施できていた。
私の実感としては「人間本来の機能を発揮し、感性を研ぎ澄ました活動をする」という点ではスポーツだけでなく、仕事や日常生活にも役立てられている気がする。
経験則だが、「空腹力を鍛えて血糖値さえ安定していれば、お腹が減っている時の方が、虚脱感にはならず、頭のキレはいいし、行動も俊敏」である。
また、これで「生活習慣病の予防」にもつながるのであれば、なおありがたい。
「空腹力の活用」、個人的には、ぜひぜひ、おススメです。
その1からのつづき