「経営コンサルタント」というと、世間一般のイメージは「ソリューション提供型コンサルティング」をイメージするらしい。

確かに、テレビによく登場する「戦略コンサルティングをメインとしている大手コンサルティング会社」やテレビのドキュメントで取り上げられるような「さびれた温泉旅館を立て直すカリスマコンサルタント」は、まさに「問題解決方法の具体案を提示する」コンサルティングである。

また、広義の意味で「経営コンサルタント」といえば、税理士や社会保険労務士、行政書士なども含むが、例えば「助成金申請手続き」や「許可業務の申請手続き」といった企業の問題解決も「具体的な方法論を提示する」という意味においていえば「ソリューション提供型コンサルティング」と言えるだろう。

ただ、実際の所、企業に対する経営指導の多くは「プロセス提供型コンサルティング」であることが多い。

「プロセス提供型コンサルティング」とは、「クライアントが目指す経営方針や経営目標に向かって改革・改善するまでのお手伝い」である。

つまり、組織自らが主体的に、自律して、意識改革を行い、自助努力・自浄作用で改善していくことができる情報や思考の整理およびそういった仕組み作りの支援をするのだ。

この「プロセス提供型コンサルティング」を実施する上で、コンサルタントに必要な力量は、

◇論理能力 : 筋道を立てて方向性を示し、納得させる 

◇器量 : 思想、習慣、文化を理解し、他人を尊敬できる 

◇プレゼンテーション能力 : 関係者を説得し、巻き込む 

◇磁力 : みんなを引きつける雰囲気、オーラ 

◇感性 : 「場と空気」が読める 

◇個性と創造性 : 適切な「場の空気」作りができる 

といった点がある。

また、その他の重要なスキルのひとつに「傾聴力」がある。

傾聴力とは、まさに「人の話に耳を傾けること」である。

相手の話に耳を傾け、相手の立場や状況、価値観を理解する力がなければ「プロセス提供型コンサルティング」は効果的に成立しないのだ。

傾聴力とは、具体的には、

①上手にうなづく 

話し手は、真剣に聴いてくれると感じ安心感を持つ 

②頻繁に相づちを入れる 

うなづきの相乗効果に繋がる 

③効果的に視線を合わせる 

「聴いていますよ」という意思表示になる 

④質問で話を盛り上げる 

「あなたの話を聴いていました」というメッセージになる 

⑤メモを取って聞き逃さない 

「あなたの話を真剣に聴いています」というメッセージになる 

といった点がポイントである。

ちなみに、「傾聴力を高める上でしてはいけない事(悪癖)」は、

①相手の話をすぐに否定する 

②相手の話の腰を折る 

③相手の話を上の空で聞く 

である。

これらの「悪癖があるな」と自覚している人は、

①相手の話をすぐに否定する

たとえ間違っていると思ってもいったん最後まで聴く 

肯定思考に切り替える 

②相手の話の腰を折る 

聞く時は聴くに徹する 

相づちを頻繁に入れる 

たとえ間違っていると思ってもいったん最後まで聴く 

③相手の話を上の空で聞く 

視線を合わせて聴く 

要約しながら聴く 

話の途中で「今までの話しはこういうことでよろしいですか」と要約して確認する 

といったことに心掛けることが重要なのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ289号より)