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日本人は、航空会社を選択する場合、一般的には「JAL派」か「ANA派」か分かれる。

自分が頻繁に利用する空港に「JALしか就航していない」「ANAしか就航していない」という場合は選択肢がないが、一般的には「たまたま、マイレージをJALor ANA)で貯め始めたからJAL派(or ANA派)になった」というケースが多いのではないだろうか。

ちなみに、私はJAL派。

意図して「JAL」にした訳ではなく、典型的な「たまたま」である。

ただ、最近は、格安航空のスカイマークに乗る機会が増えた。

飛行機の搭乗予定日が2ヶ月前から決まっている場合は、JALANAの早割サービスを利用すれば、かなり安い。

だが、「突然の出張」の場合は、JALANAは目ん玉が飛び出るぐらい高いほぼ通常料金になっている。

したがって、搭乗予定日前日でもJALANAより格安のスカイマークを利用する訳だ。

スカイマークを利用したことがある方ならご存知の話であるが、JALANAと比較して主なサービスの違いを挙げてみると、

◇ボーディングブリッジが使えないケースが多い(バスの移動が多い)

◇ボーディングブリッジを使用する場合でも端っこの搭乗口であることが多い

◇機内乗務員を含めスタッフの「制服」はポロシャツかウインドブレーカー

◇機内での無料の飲み物サービスが購入する場合はソフトドリンクを100円で購入

◇機内の荷物棚に荷物を載せる際に、原則、お手伝いをしてもらえない

◇シートベルト着用確認がJALANAより厳しい

(ベルトが見えないとちゃんと締めているか確認される)

◇現在の使用機材は1種類でビジネスクラスなどクラス分けがない

と言う点がある。

個人的には「JALANAよりかなり安いんだからいいんじゃない」と殆ど不満はない。

そんな感じで、ここ数年、比較的よく利用するスカイマークさんなのであるが、先日、座席前のシートポケットを確認すると、「サービス方針(サービスコンセプト)」(だったと思う)と書かれたB5サイズ程度の1枚ものの冊子が入っていた。

(※おそらく「サービス方針」の掲載を始めたのは5月の連休明けから)

つまり「スカイマークの目指すサービスコンセプト」が箇条書きで謳われていたのだ。

その冊子を撮影してくれば良かったのだが、覚えている範囲で「スカイマークのサービス方針」を下記に挙げてみる。

◆機内での苦情は一切受け付けません。ご理解いただけないお客様には定時運航順守のため退出いただきます

◆従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを当社客室乗務員に義務付けておりません

◆安全管理のために時には厳しい口調で注意をすることもあります

◆客室乗務員は収納の援助をいたしません

◆客室乗務員の服装については会社支給のポロシャツまたはウインドブレイカーの着用だけを義務付けており、それ以外は「自由」にしております

◆客室乗務員の私語等について苦情を頂くことがありますが、客室乗務員は保安要員として搭乗勤務に就いており接客は補助的なものと位置付けております。お客様に直接関わりのない苦情についてはお受けいたしかねます

読んでみた感想は「なるほどやるね~」だった。

結論からいえば、「サービスコンセプトを明文化していること」を評価したい。

日本人は、以前ほどではないが「機内スタッフ(キャビンアテンダント)」に

◇容姿端麗

◇丁寧な言葉遣い

◇ホスピタリティ

◇厳格な服務規定

といったことを「暗黙の要求事項」として期待している。

だから、「私語や無表情な態度」、「丁寧でない口調」、「癪に障るサービス」を受けた場合、「不満を持ち苦情へと発展」するのだ。

しかし、スカイマークでは、あくまでも「機内スタッフは客室保安要員」という位置付けだ。

だから、

『客商売として最低限の規律は守るがサービスコンセプトが違う既存の航空会社の機内スタッフのような服務管理やサービス内容やレベルは期待しないでください』

ということを明文化したのであろう。

ただ、個人的に違和感があるのが「機内での苦情は一切受けつけません」と言う点。

要は「苦情を機内で受け付ける余裕はないので、苦情を申し出る場合は、飛行機を降りた後に地上スタッフや本社のお客様相談室に連絡ください」と言うことなのだろう。

まぁ、わからないでもないが、「苦情」はともかく「要望」も受け付けないとしたら、スカイマークは「自分達の目指すサービスがきちんと遂行できているかどうかのチェック」をどのように実施しているのだろう?と思う。

たとえば、「覆面調査員」を定期的に機内に抜き打ちで搭乗させていれば、「自分達の業務内容とそのレベル」をまだ検証できると思う。

しかし、「自らの業務内容の検証全て」を「飛行機を降りた後の利用者からのお客様相談室などへの申し出」に頼っているとしたら、「機内の業務実態把握」は難しいだろう。

スカイマークの本社組織には「品質保証室」というような部署があるようだ。

「自らが規定した業務内容の検証」と「利用客の認識や期待とのズレ」をどのように把握して、業務システムの継続的改善(業務システムの最適化)を図っているのか(スカイマークさんの業務運営に期待しているからこそ)お聞きしたいものである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ283号より)

・・・上記のようなコラムを61日付のメルマガで配信した。

すると、66日の各メディアが、スカイマークがこの「サービスコンセプトが書かれた機内文書を回収」することになったと報じていた。

この文書については、東京都が遺憾を示し、消費者庁が回収・修正を要請したためだ。


やはり、問題になった一文は「「機内での苦情は一切受け付けません」と「苦情の受付先に消費生活センター」を記載した部分である。

消費者庁の見解としては、あくまでも「苦情対応をするのはサービス提供者自らであり、それで消費者が納得せず、解決しない際の窓口が消費生活センターである」という考え方なのだろう。

スカイマークの西久保社長は、消費者庁をただちに訪問し、陳謝し、614日までに機内の備え付け文書を修正した文書に差し替えると陳謝したそうである。

やはり、上記コラムにも明記した通り「機内サービスのコンセプトを明確にすることは大賛成だが、苦情対応に対する対応手順は問題あり」ということなのだ。


マスメディアは、これを受けて「順調に推移してきたスカイマークの経営に陰り」というような記事を掲載しているところが多いが、私はそう思わない。

その理由は「安ければ飛行機の利用回数を増やしたい」という消費者は多く、そうなると「サービスレベルより安い価格」は魅力的だ。


また、今回の報道で「スカイマークを利用する人と利用しない人」がよりはっきりしただけで、まだまだ、既存のJALANA利用者をスカイマークが奪い、飛行機に乗って移動する予定でなかった新規顧客の開拓もスカイマークはしていくに違いない。