【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html


GW中の「白馬岳の遭難事故」におけるマネジメントで不足していたこと』

ゴールデンウィーク(GW)中の「山の事故」が何件もニュースで報道されていた。

この時期の「山の事故」に関するニュースは、表現はよくないが「年中行事」である。

「登山におけるマネジメント」とは、どんなものだろう?と思いちょっと調べ、考察してみた。

まず、この428日~56日のGW期間中に、北アルプスの白馬岳(2932メートル)近くで北九州市の男性6人が遺体(低体温症)で発見される事故について振り返っておく。

この事故は、

◇メンバー6人は63歳~78

◇登山経験が豊かなメンバーがいた一方、未経験者もいた

◇メンバーは、4人が医師で1人が獣医師

◇発見された当時、全員が軽装だった

と言う状況。

ワイドショーでは、この6人と登山中にすれ違った登山者を乗せたタクシー運転手へのインタビューを紹介していた。

その運転手によると、メンバーの中には、

「“帰りたい”とつぶやいている人がいた」

「非常に疲れた表情で登っていた」

という。

また、山岳救助関係者は、春山は天候が急変しやすく「天候を読めなかったことが、今回の事故の原因」と指摘している。

つまり、

「1年に23日の登山を何十年も続けていても一人前ではない」

「年間100日は山に入って悪天候も経験し、5年間続けてようやく一人前」

なのだそうだ。

つまり、「天候のよい条件下で30年かけて100日の登山歴があった」としても、「さまざまな気象条件のもとで年間100日を5年間継続する登山歴」がなければ「ベテラン」とは言えないのだ。

要は、そのぐらい登山経験を積まないと「遭難せずに自分の体力や経験に見合った登山をするための判断力のもととなる経験値を積むことができない」のだろう。

このことは、私の仕事である「経営コンサルティング」や「企業のマネジメントシステム監査」でも同じである。

具体的な例を挙げれば、

「従業員10数人程度の零細企業を100社コンサルティングしても従業員1万人規模の大企業のコンサルティングはできない」

(注:その逆もある)

というのと一緒だ。

組織規模や業種業態に応じた「最適なマネジメント」があるので、いろいろな職種や従業員規模の会社をコンサルティングや監査で経験を積まないとなかなか「よい指導」はできないのだ。

この「山の事故」でのもうひとつのポイントは、「リーダーシップ」ではないかと思う。

一般論として、企業において「全員野球」を標榜した組織マネジメントをする場合、「会社としての標準」を設け、標準より劣るものは教育・訓練を通じてそのレベルに引き上げ、能力が優れたものは、さらに能力を伸ばして、劣ったものの能力を高めるサポートをする、といったマネジメントをリーダーは取ることになる。

一方「登山」におけるマネジメントは、登山経験の豊かな友人によると「経験と体力に応じて、いちばん能力が劣るものに合わせた登山計画を立てる」というのが基本であるそうだ。

つまり、ヒマラヤ登山のような、最終的に「登頂できるメンバーが一部の人」というような「登頂できる人、縁の下の力持ち的仕事を担当する人」と役割が明確な場合は別にして、山小屋で数泊程度の「みんなで登頂しよう」の登山の場合は、「能力の低い人に合わせる」なのだ。

今回の場合、「体力や判断力に対する自己過信」も事故原因のひとつとされている。

私は、それに加えて、「登山における明確なリーダーがいなかった」ことも原因であると思う。

今回事故に遭ったメンバーは「医師仲間(4人)」が中心で残りのメンバーも獣医師と自営業者である。

おそらく、ふだんは、仕事や趣味を通じた「サークル」のような活動だったのだろう。

そうなると、ふだんの活動においては「リーダーは存在せず、各役割もあいまいで、みながフラットな関係」である。

このふだんはメンバー間の「フラットな関係」において「的確な状況判断が要求される登山」は天候状態とメンバーの体力に問題がない場合は、なんの問題点も顕在化しない。

しかし、今回のような「急な天候の変化」や「一部メンバーの体力消耗(と仮定)」があった場合、「的確な判断と決定をするものがいない」のだ。

したがって、今回の場合は「登山経験豊かなメンバーをリーダー」とするか、いなければ「リーダー役を外部調達」(つまり山岳ガイドを雇う)しかない。

今回のメンバーは職業的におそらく「悠々自適な身分」の方々だったのだろう。

したがって「山岳ガイドを雇う」ことに関して経済的な問題はきっとない。

よって、今回の事故防止は、「山岳ガイドを雇って身の安全を確保する」か「もっと難易度の低い登山を計画する」ことで防げたのではないかと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ280号より)


【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html