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組織を成功に導くための「管理者の心得」のひとつとして「組織の構成員に自らの役割を自覚させる」ことがある。

別の表現をすれば、組織の構成員一人ひとりが自らの役割を自覚しなければ、組織は成功しないということである。

一匹狼で仕事をやっている人を除いて、組織規模が5人であれ、100人であれ、1000人であれ、「組織の中のひとり」として働く場合、必ず役割がある。

よく、組織を「オーケストラ」に例える場合があるが、見事な管弦楽曲演奏をするとしたら、指揮者はもちろん、木管楽器、金管楽器、弦楽器、チェロやコントラバスのような通奏低音、打楽器奏者を揃える必要がある。

世界的なバイオリニストが楽団にいても、バイオリニストだけでは、オーケストラは成立しない。

ビジネスの世界も同じで、仮に「営業主体の会社」であったとしても、経理や総務部門、開発部門や生産部門がその役割を果たさなければ、組織として成り立たない。

また、階層的には「管理職」だけいてもダメで、若手を指導する「中堅層」や「技術的専門技能職」、「将来の管理職候補となるゼネラリスト」、「事務担当職員」などがいなければ、組織としての新陳代謝も促されず、世代交代もうまくいかない。

話は少しずれるが、私が経験した組織で「経営者であるはずなのに経営者の役割を果たしていない経営者」を見たことがある。

この経営者は、経営方針や中期目標を立てないのはもちろん、社員の育成方針も示すことはなかった。

また、「生涯現役」「小さな組織なんだから総力戦」という言葉が好きで、自らが広告塔となり、現場レベルの仕事も積極的にこなしていた。

「下働きもやるいい経営者さんじゃない!」と思われた方は、間違い。

組織としての方向性を示さないから「みんなが自分の想いで仕事をする」ことになった。

経営者は「うちの職員の想いは一緒」と思い込んでいたかもしれないが、方向性を示さないのだから、最初からずれていた。

また、経営者なのに、成長しつつある現場の職員と張り合うんですね。

普通の経営者なら、部下の成長を喜ぶべきところを、部下がお客さんに「○○さんの説明はわかりやすいですよね。社長よりわかりやすいかも(笑)」と半分冗談気味に言われたら、部下の○○さんに嫉妬してしまう。

したがって「俺もまだまだやれるんだぞ!」と言うところを経営者は示したくて変に頑張っちゃうから、現場もお客さんも仕事がしずらくなるのだ。

経営者が「自分の立場と部下の組織内での役割」をちゃんと理解して自覚していれば、こんなことにはならない。

「自らの役割を自覚させる」ことが「上手い」トップのひとりとして、プロ野球の北海道日本ハムファイターズの栗山新監督が挙げられると思う。

栗山監督は、評論家生活が長かったことも影響していると思うが、「ファンあってのプロ野球」「プロ野球界の今後の成長」という視点で常にものを考えている監督さんだな、と思う。

その一番の例が「ハンカチ王子」で甲子園を沸かせ、その後大学日本一にも輝き2010年の

ドラフト1位で入団した斎藤佑樹投手である。

辛口の評論家であれば「斉藤投手は身体能力がずば抜けているわけではないし、剛速球投手じゃないし、キラリと光る変化球があるわけでもない」から、「投手としての素養」だけで考えれば「並」の投手である。

しかし、栗山監督は、斎藤投手を「将来のファイターズ、そしてプロ野球界を背負って立つ人」と位置づけた。

そこで、一年間のローテーションの軸となり各対戦相手のエース格とぶつかる「開幕投手」に指名したのだ。

「お前に期待している」という監督はたくさんいるが、いざとなると「あいつじゃまだ無理だ」「結果が出なかった時になんであいつを使うんだよと俺が責められる」ということを恐れてリスクの無い起用になる。

これでは、部下は、自分の置かれている立場と役割を真に自覚することはない。

また、秋田県が出資して2004年に開学した国際教養大学の中島嶺雄学長も「自らの役割を自覚させる」ことで組織を成功に導いたひとりである。

偏差値で判断すると、わずか開学から8年で偏差値66(代ゼミ)と一流大学と肩を並べるレベルになった。

特長は、

◇授業はすべて英語

◇出身地に関係なく1年生は全員寮生活(2人部屋)

◇必ず1年間は留学しなければならない(しかもTOEFL550点以上)

4年間で卒業できる学生は50%以下

◇学生一人ひとりに担当教員がつき、学業、生活、就職とトータル的にサポート

という学校なのだ。

そして、中島学長は「このような卒業生を作り社会に輩出させたい!」という想いが同じ教員を集め、各教員に各教員が集められた役割を自覚させたのだ。

プロ野球選手も大学教員も、一般人より「俺様的なアクの強い集団」である。

つまり、各自に役割を明確に与えて、納得させ、そして自覚させなければ、各自が勝手な行動を取る。

本人たちは「フォア  チーム」をしているつもりでも、結果的には各自の勝手な想いで行動していることになる。

ファイターズの話であれば、入団以来4年間、50試合以上の登板数を誇る中継ぎ投手の宮西尚生投手は、起用される時に、かならず「こういう役割で起用する」とその意味を監督や吉井ピッチングコーチに説明されるのだと言う。

「言わなくてもわかるだろ」の「阿吽(あうん)」ではないのだ。

そのようなわけで、組織の向上と成長、そして目的の達成のためには,各人がその組織の構成員として、役割と責任を自覚し,自分勝手な考え方や行動を自制する心を自ら育んでいく必要があるのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ278号より)


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