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ゴールデンウィークが始まった2012年4月29日の午前4時40分頃に、金沢市から東京に向かっていた高速バスが、関越自動車道藤岡ジャンクション付近の上り線で事故を起こした。
この事故は、運転手による居眠り運転が原因で、乗客乗員46人のうち、7人が死亡し、2人が重体、11人が重傷、25人が軽傷を負う高速道路での単独の事故としては最も被害者数が多い事故となった。
この事故は連日、マスメディアにより報道されているように、大きく分けて、
◇バス運行会社の管理上の問題
◇国土交通省の道路運送法や高速道路の安全基準などの問題
◇ツアーを企画した旅行会社の問題
の3点について、問題点が指摘されている。
新聞やテレビの報道を通じて、感覚的には、事故発生当初は、「バス運行会社の管理上の問題」に関する話題が多かった。
しかし、ワイドショーなどでは、徐々に「国土交通省の安全基準の問題」について、話題がシフトしてきている感じがする。
バス運行会社である「陸援隊」(千葉県印西市)の問題点としては、主なものだけでも、
◇運行ルートを示す運行指示書が作成されていなかった
◇乗務前後の飲酒や健康状態などの点検・点呼が十分に実施されていなかった
◇点呼簿が見当たらなかった
◇シートベルトなど設備故障があることから設備点検が徹底されていなかった
など数多くの法令違反が国交省による特別監査で指摘されたという。
また、運転手の河野化山運転手は、近所の人の話では「内装業」を営んでおり、「バス運転手」は「日雇い雇用(アルバイト扱い)」だった可能性もあるという。
(日雇い雇用であれば「短期雇用を禁止している」道路運送法違反となる)
つまり、河野運転手の仕事は「バス会社の仕事だけでない」のだ。
したがって、仮に、バス運行会社の「陸援隊」が法令に則った「休憩時間や休息日」といった乗務員の乗務管理をしていたとしても、「発注した乗務日以外の勤務状態」は管理できなかっただろう。
それから、「国土交通省の問題」としては、
◇2000年から「運行免許」から「運行許可」制に規制緩和され新規業者が増えた
◇指針で決められている「2人体制勤務基準」の妥当性
◇旧基準で対象外とされたガードレールと防音壁の設置基準の問題
が主なポイントであろう。
特に、「旧基準で設置されている防音壁とガードレールの構造」は、今回のように全くガードレールの機能を果たしておらず、そして貸切バスの1日当たりの運転基準である「9時間・670キロ」も、昼夜の運転手の負担を考慮しておらず、早々に見直しをすべきであろう。
また、忘れてならないのが「ツアーを企画する旅行会社」の管理である。
2000年の規制緩和では、バス運行会社は、新規参入しやすくなった。
つまり、「市場原理」に任せて、業界の自由な競争を促したのだ。
しかし、実際のところは、「ツアーバス」の場合「ツアーの企画と乗客の募集」と「バスの運行」は「別会社である」ことが一般的である。
つまり、規制緩和により「バスを運行する業者は増加」したので、「ツアーを企画する旅行会社」は、「買い手市場」となり、「バス運行会社に委託する価格など買いたたきやすい立場」になったのだ。
その上、そもそも旅行会社は「元請けとして立場がバス運行会社より上」である。
これでは、バス運行会社は「厳しい条件」でも受注するためには、飲まざるを得ない。
また、旅行会社は、極端な話、「バス運行会社がこの条件で仕事を請けると言ったんだからあとはお任せしますよ」となってしまう。
つまり、バス運行会社が「事故」を起こそうが、「経営がひっ迫」しようが、「乗務員管理がずさん」だろうが、こちらは、関知しません、という状況なのだ。
したがって、私としては、「ツアーバスを企画する旅行会社に一定の管理能力があること」を旅行業免許の条件にすべきだと思う。
今回の旅行を企画したハーヴェストホールディングスの大屋政士社長は、記者会見で、『バスを発注する場合は運転手が500キロ以内、8時間以内で交代しているかどうかを確認する』と言うような趣旨のことを確か述べていた。
だが、「おいおい、そんなのバスの企画会社として常識だろう」と思う。
つまり、旅行会社が、バスの運行を下請けとして発注する際に、
◇運行管理はきちんと実施されているか
◇この価格で安全な運行が確保できるか
◇事故の予防対策や発生時の手順があり訓練はされているか
といった旅行全体の管理能力がある会社でなければ、「旅行会社としてツアーバスの企画と販売」をさせてはならないと思う。
それにしても、これほど、ツッコミどころ(改善点)が多い産業と言うのも珍しい。
どう考えても、行政上の管理監督が適切に機能していない。
法令毎の「部分部分の最適化」も不十分であったと思うが、最大のシステム上の問題は、「ツアーバス」に関わる法令や安全基準がトータル的に管理されていないことであると言えるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ279号より)
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