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すでに各メディアが伝えているように、2012322日に知的財産高等裁判所(飯村敏明裁判長)が「切り餅を形崩れしないように焼き上げる切り込みの特許権を侵害された」として、業界2位の越後製菓(新潟県長岡市)が、業界1位の佐藤食品工業(新潟市)に「サトウの切り餅 パリッとスリット」など5商品の製造差し止めや59億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、佐藤食品工業に対して、「製造禁止と約8億円の賠償」を命じた。

この判決では、「判決確定前でも強制執行が可能になる仮執行」も認め、「製造装置の廃棄」も命じたもので、個人的には、佐藤食品工業に対して、極めて厳しい結果になったと思う。


この判決については、201011月の東京地裁の判決では、「佐藤食品の切り込みは越後製菓の特許の技術的範囲に属さず、同社の特許を侵害していない」として請求を棄却したのだ。

つまり、高裁の判決は地裁の判決に対して「逆転で侵害している」と認めたことになる。


判決文を読んでいないので、あくまでも知財高裁の判決結果に対しての感想になるが、個人的には、2010123日付のブログにも書いたが、「サトウの切り餅」は「越後製菓の切り餅」の特許を侵害していないと思うのだ。

その理由は、

◆越後製菓の切り餅は「餅を焼く段階で膨張して噴き出すことを防止する技術」

◆一方、サトウの切り餅は、越後製菓の効果に加えて「餅の焼き色まで考慮した製法技術」

◆したがって、「越後製菓とサトウ」は、購入者が調理した後の「できあがり製品」のイメージが違う「違う技術」として「特許侵害はない」と判断するのが妥当である

と考えていいのではないかと思うのだ。

(参考:2010123日のブログ http://blog.logcom.jp/?eid=864679  )


確かに、今回の高裁の飯村裁判長が判決文で述べたように、「佐藤が03年から切り込みの効果で切り餅がふっくら焼けることを積極的に宣伝し、05年ごろからは消費者にも広く知られるようになり、10年には包装餅のほぼ全部に切り込みを入れたことなどから“切り込みによってうまく焼けることが売り上げ増加に相当程度、寄与した”と認定した」ことは、素人でも越後製菓と佐藤食品の「切り込み」に関する開発時期を知れば、想像がつく。

つまり、「切り込み」というアイディア自体は、越後製菓が開発し、先に特許を申請している。(2002年出願、2008年に特許が認められた)


ただ、以前のブログでも述べたが、佐藤食品工業も側面と上下面の切り込みで特許が認められているのだ。(2003年出願、2004年に特許が認められている)

そうなると、この特許庁の判断自体は「妥当であったのかどうか?」という問題も検証する必要があるだろう。


したがって、今回の高裁の判決結果である「8億円の損害賠償と製造機械の廃棄」という指示から考えると、個人的には、佐藤食品は越後製菓からの「和解」に応じるべきだったと思う。

佐藤食品工業は包装餅で3割近くのシェアを占め、同社の年間売上高約270億円のうち、「特許侵害」とされた5商品は100億円程度に上るという。

越後製菓の求めた和解金の約59億円が佐藤食品工業は高すぎると判断して、裁判で争ったのだと思うが、今回の判決で、「サトウの切り餅」が食べられなくなるのは消費者(私はサトウの切り餅ファン)としては残念だ。

現状、越後製菓製よりサトウ製の方がどう考えても焼き上がりの出来は良い。


それにしても「製造装置の廃棄」まで踏み込んだ高裁の判決には、ちょっと驚きだな、と思う。



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