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2011年3月11日に発生した東日本大震災からほぼ1年が経過した。
テレビを見ていると「震災に対する検証」や「復興への取組」に関する番組が増え「震災」を否が応でも再認識する。
1年前を振り返ると、私自身は、当日、宮城県に出張しており、「14時46分」は、ある企業の工場内を巡回しながらインタビューしている時だった。
今振り返ると、私自身はもちろん、訪問した企業さんの職員も「揺れが激しく、そして長い地震に唖然として、ただ茫然とその時間を過ごしてしまった」と思う。
わたしは、「企業のマネジメントシステムを評価する」という仕事柄、多くの企業に訪問して「地震発生後の対応手順」や「その対応手順にそった避難訓練の結果」について拝見させていただく機会が多い。
ざっくりした書き方をするが、一般的な企業の取組は、
「地震発生」
⇒「机の下に隠れる」
⇒「揺れが収まったら(駐車場など)避難場所に逃げる」
という対応手順である。
そして、避難訓練結果は、
○月×日に「今日は避難訓練を実施します」という社内での事前告知に基づき、手順を実施した様子の写真と避難訓練の責任者が「避難訓練を実施したことで、職員全員の防災意識が高まり、また避難経路の確認ができた」というようなコメントが入った記録を作成して、「ハイ、終了」
というのが一般的である。
杓子定規に審査するならば、
◇緊急事態発生後の対応手順がある
◇対応手順のテストを実施している
◇対応手順の妥当性など訓練結果を評価している
ということになり、この企業の取組に問題はない。
個人的にも、「日常の目の前の仕事が忙しく、防災に関して切迫感があまりなく、関心も低い中で、避難訓練を実施され、お疲れ様です」と正直思う。
私自身、東日本大震災後、自宅マンションや出張で宿泊するホテルの避難経路と避難場所、消火器の位置ぐらいは、意識的に確認するようになり、消防署が実施する「救命救急講習」や「防災士」の研修は受講したが、それ以外の「実践的訓練」などやったことがない。
ただ、「辛口評価」をするならば、「一般的な企業の地震発生時の対応手順や避難訓練」について大きく問題点が4つある。
すなわち、
1)地震発生規模における対応手順が不十分
(例:震度3でも震度7でも同じ対応でよいのか?)
2)地震発生時の業務や業務場所における対応手順が不十分
(例:地震発生時に事務所にいるとは限らない。工場内での作業中だったら? など)
3)対応手順について実施した避難訓練が「妥当性があった」と評価する基準が無い
(例:何分以内で避難場所に全員が到着するか? など)
4)想定した地震規模や遭遇場所に対して現在の避難訓練方法が適切か検証していない
(例:訓練は「事前告知」でなく「告知なし」など他の方法で実施しなくてよいのか?)
である。
以前、新聞記事で読んだことがあるが、東京都の高島第一小学校では、避難訓練に「緊急地震速報」を活用しているという。
つまり「リアルな生の情報」に基づき「実践訓練」をするというのだ。
また、避難訓練についても、「訓練は年間で5回実施」し、「告知する場合が3回」、「抜き打ちの場合が2回」あり、「子どもたちは自身で身の安全を確保」する訓練をするのだと言う。
この高島第一小学校の避難訓練のポイントは、
「自分で瞬時に適切な判断ができる力を身につけること」
である。
地震発生時のシチュエーションは、「自分の教室にいる時」とは限らない。
体育の授業中かもしれないし、理科や家庭科で薬剤や火を使った実習中、あるいは、休憩時間や清掃時間かもしれない。
つまり、学校側が「1から10まで全て手順をがっちり決めて教える」だけではなく、「状況に応じて、どのような対応が安全なのか?」を議論して考えさせる点が素晴らしい点なのだ。
企業活動においては、「地震多発地帯にある企業で、地震により工場が倒壊して死傷者が出た」という生々しい体験が無い限り、職員の「避難訓練」に対する関心は低く、「日々の日常業務に忙殺」され「避難訓練は形骸化」していくのが常だ。
したがって「実際に地震が発生」した場合に、一人ひとりが「適切な対応処置判断」できるかというと疑問だ。
夏目漱石の弟子で、俳人であり物理学者でもある寺田寅彦が「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉を残している。
私たちは、この言葉を肝に銘じて「職員に定期的に“適切な避難”を考えさせる習慣を付け、どんな対応をするべきか自覚を持たせる」ことが「職場における形骸化しない避難訓練」の秘訣なのだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ271号より)
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