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以下のような約2週間ピッチでマラソン大会に出場する選手がいる。

20111218日 第42回防府読売マラソン

201218日 第13回谷川真理ハーフマラソン

2012122日 都道府県対抗駅伝

201225日 第66回香川丸亀国際ハーフマラソン

2012226日 第6回東京マラソン


そう、このようなスケジュールをこなす選手とは、今をときめく「市民ランナーの星」で「公務員ランナー」こと川内優輝選手(埼玉陸協所属)だ。

川内選手は、201194日の世界陸上に日本代表として出場した。

そして、2012年に開催されるロンドン五輪の代表を狙っている現在の日本ではトップクラスの選手である。

ちなみに、世界陸上の日本代表を射止めた20112月の東京マラソンで日本人トップの3位に入った時の2時間837秒は2008年の北京五輪 以降の日本人最速タイムなのだそうだ。


一般的に、日本陸上界の場合、長距離のトップランナーは「実業団」に所属している。

つまり事実上の「プロの長距離競技者」は、日本の場合「実業団所属選手」ということになる。

実業団に所属せずに、メキシコ、ミュンヘン・モントリオール五輪代表となったマラソン選手は、現在は東海大学体育学部の名誉教授である宇佐美彰朗さんぐらいであろう。


オリンピック代表になった過去のマラソン選手の記録をチェックして見ると、マラソンのレースは年に12回出場、というのが通常である。

現在、ロサンゼルス・ソウル五輪の日本代表で、2時間8分台の記録を持つ瀬古利彦氏(エスビー食品スポーツ振興局長)は、生涯でフルマラソンには15レース(1510勝)しか出場していない。


そのため、世界陸上の5週間後に第1回大阪マラソン(1027日)を走り、124日には福岡国際マラソンに出場した川内選手は、陸上のプロ達からは「特殊」と言われるのだろう。


確かに、試合で最高のパフォーマンスを出すためには、1年のうちに何度もピークは作れない。

それは、一流選手はハードな練習を積み重ねているので、その状態を1年中キープすることは肉体的にもキツイが、それ以前に精神的にも困難だからだ。


しかし、実業団のマラソン選手が「月間900キロ~1100キロ」のトレーニングを積むのに対して、川内選手は「月間500600キロ」と言われ、実業団所属の選手の約半分の距離である。

また練習パートナーがいないので、タイム計測も自分ですることになる。


したがって、レースをコンスタントに入れることで、

◇練習量を稼ぐ

◇レース勘を鍛える

◇練習の質を高める

という効果を狙っているのである。


つまり、一般的な日本の長距離トップアスリートから見れば、川内選手は、「レースに以上に多く参加している」ことになるが、川内選手の場合は「レースをレースとしてではなくトレーニングの一環」として参加しているのだ。


私自身は、ダイエットと健康維持を目的に、約8ヶ月弱前から走り始めた。

それ以前は、「マラソンを見るのは大好きだけどトレーニングは殆どしない」人だったので、「試合に出ること」=「練習の成果を最大限出すところ」というイメージだった。


しかし、自分が走ってみると、普通の社会人にとっては、圧倒的に練習時間が取れない。

特にマラソンの場合は、「35キロ過ぎからが本当のマラソン」と言われるように、ある程度の距離を練習でコンスタントに積む必要がある。

けれども、素人が30キロ以上走ろうとすると、準備やストレッチの時間を入れて、最低でも3時間は費やす。

となると、事実上、長距離練習は「仕事が無い日」にするしかない。

したがって、「レース=練習の場」となるのだ。


川内選手の強さの秘密は、「マラソンを最終目標にしている点」であると言われている。

実業団の選手は、走ることで給料がもらえる代わりに、企業の宣伝効果が高い「駅伝」にも力を入れなければならない。

つまり、コンスタントに常に「そこそこのタイム」を出し続ける必要がある。

そう考えると、ケガなどのリスクが高く、トップ選手にならない限り、宣伝効果が薄いマラソンを優先的に取り組むよりも、駅伝出場を目指して選手寿命を延ばした方が生活面でもリスクが少ない。


練習量の多い実業団の選手が練習量の少ない「市民ランナー」の川内選手にフルマラソンで勝てない原因はそこにあるという。

ただ、陸上の専門家に聞くと「月間500600キロ」の走り込みは、圧倒的に距離不足なのだそうだ。

しかし、川内選手は、

◇マラソンを最終目標としている

◇自分の練習方法を信じて、練習方法を工夫し真剣に取り組んでいる

◇レースを利用してピークを作っている

という考えで五輪代表を目指している。


そして、その答えは、「2012226日」に出る。

レース当日の天候にもよるが、「2時間7分台で日本人トップ」になれば、「新常識」と認められるかもしれない。

これまでの陸上界の「常識」を打ち破って、「効率的に目標を達成するためには理にかなった練習方法だった」と、あとで学者たちが検証する「新常識」を構築して欲しいと思う。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ259号より)


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