【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

20111128日付の毎日新聞(電子版)によると、5年前に「定年制度」を廃止していた日本マクドナルドが20121月から定年制度を復活させることを決めたという。



記事によると、定年制度を撤廃したことにより、

◇定年制度が無くなり後進を育成する意識が薄れた

◇業務のノウハウや情報の継承が後回しになった

◇経理や法務の案件処理の引き継ぎが上手く行かないケースが生じた

◇店舗ノウハウが引き継がれなくなった

といった弊害が出てきたそうである。



また、記事では、

「新しい分野へのチャレンジに社員が消極的になる傾向が見られた」

とも報じている。

そのような傾向が生まれた理由は、定年廃止で現在の上司が会社に残り続けると思えば、部下は「波風を立てず平穏に」と考えるため、チャレンジや積極的な改善、改革案を出さないのであろう。



日本マクドナルドが5年前に「定年制」を廃止した理由は、20064月には「改正高齢者雇用安定法」が施行されたことによる。

この法律では、企業は

◇定年年齢の引き上げ

◇再雇用(継続雇用)制度

◇定年廃止

のいずれかが義務づけられ、多くの企業は再雇用制度を選択したが、マクドナルドは、「定年廃止」を選んだのだ。



私が訪問する企業の中にも「定年廃止」を選択している企業がいくつかある。

もしかしたら、マクドナルドのような状況が会社内部で深耕しているのかもしれないが、現在の所、顕著に顕在化している「定年廃止の弊害」は見られない。

では、「なぜマクドナルドでは定年廃止の弊害がいち早く顕著に表れたのか?」である。

そのカギは、マクドナルドが、

『成果主義と中途採用の強化と並行して定年廃止を導入したこと』

であろう。



つまり、マクドナルドの人事方針は「仕事ができる人にどんどん入れ替えます」という思想の人事制度を進めているが、そこに「定年制度廃止」を採用したため、「自分の得たノウハウを自分の中に蓄積させマニュアル等に標準化することをしなくなった」のだ。

つまり、「マクドナルド=業務のマニュアル化」が世間一般のイメージであるが、業務が「この人でなければわからない」「この人に任せておけば安心」という『属人化した業務体制』が「成果主義と中途採用強化」という方針の中で採用された「定年廃止」により、より加速してしまったのだろう。



私は、このような状況を打開するためには、「定年廃止」だけでは打開できないと予想している。

それは、この「問題点」は「ノウハウを抱え込む傾向がある」である。

では、「なぜノウハウを抱え込む」のかと言えば、「自分の能力の源となっているノウハウを外に向けて開示しない事で成果を上げ続け、地位を守りたい」からである。

したがって、問題点は「定年廃止だけではなく成果主義」にある。

つまり「定年廃止」により「ノウハウの継承が滞る」といった問題が加速したのが事実であって定年廃止で「一挙解決」とはならないだろう。



つまり、マクドナルドで発生している問題解決には「成果主義」における「成果」の捉え方を「単なる売上向上、利益向上」といった指標だけで評価するのではなく、「ノウハウの標準化や見直し」「部下の育成」といった指標を設けて「成果主義」を採用する必要がある。



また、「上司が定年廃止によって辞めないからチャレンジしない」

という問題については、「上司が長くそのポジションに留まっていること」が問題の原因なのだから、

◇役職定年

◇定期的な管理職の異動

を徹底すべきだろう。



「単なる数字」だけを指標とした成果主義や「社員は育成するな!仕事ができる奴に取り替えろ!」思想では、組織は「短期的な成長」しか期待できない。

「組織が持続可能な成長」を遂げるためには「仕事を属人化させない社内の体制作り」が重要であるということを日本マクドナルドの例はあらためて教えてくれた、と言えるだろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ257号より)


【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html