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マネジメントシステムの審査で企業を訪問して、「担当審査員」として、一番困るのは「是正処置を実施することができない企業」に対する審査時の対応である。
一般的には「問題点が審査で検出」されれば、「不適合指摘をして、是正処置要求する」のが定石だ。
つまり、企業が問題点について、「その問題の処置、問題の原因、問題の原因に対する対策、実施した是正処置の有効性を含めた確認」を実施するし、それを審査員が確認して、認証登録や認証継続をすることになる。
したがって、企業が是正処置を実施するということは、問題や課題について、「企業自らスパイラルアップすることができる能力がある証」であり、その証としての形が「マネジメントシステムの認証登録証」であるハズだ。
しかし、現実的には、「問題の処置」は、仮にできたとしても、「問題の原因、問題の原因に対する対策」等といった「是正処置」は実施できない企業が多い。
話しは若干逸れるが、「そもそも論」でいえば、多くの企業では、「日常業務の中で第3者から見れば“問題点やより良くできる問題点(改善点)”に相当する事項」があるのに、それに「気づかない」あるいは「気づかなかったことにする」状態がよくみられるのが現実である。
「企業自身が問題点と認識せず、組織として対応(是正処置)すべきものと認識しなかったんだからそれでいいだろ」という考え方もあるが、そのように「企業自身で“問題点”に対する考え方を理屈付け、他人に説明できるとしたら」、ノープロブレムであり、OKである。
しかし、「明かに組織運営上、信頼性を欠くだろう」という事項を、審査を通じて発見しても、「是正処置」を自ら実施できない組織が非常に多いのだ。
2000年以前のマネジメントシステム審査では、審査を受ける組織の業種が、大手メーカーの下請け的製造業が多かったためか、「クレーム報告書」や「不良対策書」といった仕組みを以前から実施していた。
そのため、「問題の根本原因を反省し見直す」という習慣があったせいか、「マネジメントシステム上の問題点」を指摘しても、難なく「是正処置」を実施することができた企業が多かった。
しかし、2000年以降に中小零細企業の審査申し込みが増えてからの審査では、「是正処置要求」をしても、「手を付けられない企業」=「是正処置が実施できない企業」が極端に増えた。
すると、マネジメントシステム審査業界の「審査員の請負化」、「審査員単価の急激なデフレ」が起きている現状もあり、審査員は、「是正処置を実施する能力がない企業で指摘すべき点を見つける」と、
1)指摘があっても出さない
2)指摘を出したら、企業に是正処置の方法論もアドバイスする
3)指摘を出して是正処置ができない場合は「期限内に是正完了しなかった」という報告を審査機関に上げる
という選択することになる。
審査員としての「王道」は、もちろん、3)である。
しかし、3)の場合は、企業のコンサルタントあるいは企業から審査機関に(いわれのない)クレームが入り、「買い手市場と化して立場の弱い審査機関」は、コンサルタントや企業に対して立場が弱く、結果として「担当審査員」にそのとばっちり(審査員に対する再教育、審査依頼の減少など)が来る。
2)の場合も、結論からいえば、企業から「次回審査から審査員を変えてくれ」という要求が審査機関に届く。
したがって、結果として、多くの審査員は、1)を選択しているのが現状である。
月並みだが、これらの問題は、認証制度の制度設計時点で、
◇「ビジネスモデルとして適切な審査員人数」を設け、コントロールをしなかった
◇「ビジネスモデルとして適切な審査機関数」を設け、コントロールをしなかった
◇認証制度に対する正しい認識と健全な社会的ニーズを産業界や国民に高めてこなかった
などの結果であり、ツケである。
審査登録制度とは「信頼性」を売る商売なのに、業界の競争を、市場原理に委ね、ファーストフードやディスカウントショップのように「デフレ化」を野放図に放置してきたからである。
別のいい方をすれば、「マネジメントシステム認証制度」を、「消費者の選択の拠り所のひとつ」と「産業界の健全な成長と発展のため」の制度として、「審査制度が成熟した際の明確な着地点」を計画せずに突っ走ってきたしまったため、このような問題が生じてきているのだ。
市場原理に任せていれば、製品やサービスの技術力も向上し、消費者にも利用しやすいものとなって「売り手買い手の両者ともハッピー」という業界もある。
しかし、「審査登録制度」や「大学や大学院など高等教育」のように、「信頼性が付加価値」となる世界では、「制度設計時点で政策的に着地点を計画」しておかなければ、「売り手(認証機関など)にも買い手(登録企業など)にも市場(登録企業を利用する企業や個人)にも」アンハッピーな事態となってしまうのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ238号より)
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