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1990年代に仕事で「小型モーターの世界シェアを約50%占めるマブチモーター」の海外生産拠点をトータルで2ヶ月ほど訪問する機会があった。

「マブチモーター」は、東証1部に上場している大企業であるが、最終製品としては、あまり流通していないので、「子供の頃に遊んだおもちゃ用やレーシングカー摸型のモーター」として馴染みのあるおじさん世代以外、一般的な馴染みは薄い。



しかし、このマブチモーターは、私たちの日常使用している電機製品の中で、かなり使用されている。

代表的なのは、自家用車のミラーやドアロックに使用されているモーター。

その他にも、DVDドライブ用のモーターやプリンターやデジタルカメラなどの情報機器のモーターである。



マブチモーターが世界でトップシェアを誇れる理由は、「価格」と「高品質」にある。

「価格」については、「生産拠点を労働力の安い国」に移すことで実現した。

歴史的には、1960年代に生産拠点を海外に移し始め、1990年には海外生産が100%となり、現在、日本には本社と研究所機能しかない。



「生産拠点を海外に移すことに成功した要因のひとつ」に『部品メーカーでありながら自らで仕様を決めた標準品の汎用モーターを製造している』ことにある。

普通、部品メーカーは、自動車でも、デジカメでも、最終製品を製造するメーカーと比較すれば立場が低くなり、最終メーカーが要求する仕様に製品毎、合わせざるを得なくなる。



しかし、マブチモーターは、「部品メーカーが主導」となり標準品作ったのだ。

もちろん、ユーザーが離れたケースもあったが、メーカーにとってモーターはなくてはならない製品で大量に使用する。

例えば、自家用車1台なら、50100個のモーターが使用されている。

すると、「低コストで高品質」のマブチモーターの仕様に合わせる形で最終製品を設計・製造した方が都合がよい、と言う状況が生まれるのだ。



「標準品」を確立できると、部品メーカーとしては、

◇見込み生産ができる

◇生産拠点を労働コストの安い地域に移しやすい

◇在庫を持てるので短納期が可能

◇生産量を平準化し、安定させられる

◇コストダウンがしやすい

などのメリットが生まれる。

要は「品質管理」しやすいのである。



マブチモーターの方とお話ししていた時に「そうなんだ」と思ったことがある。

それは「生産拠点をどこに置くのがベストか」という話だ。

マブチモーターは、香港、台湾、中国各地、ベトナムに工場がある。

経験則としては、これらの国は、労働者のレベルも高く、生活や仕事の習慣として「規律」を守ることができる特性がある。

しかし、例えば、赤道直下の国では、労働コスト自体は安いかもしれないが、「生活や仕事の基本の教育・管理コストがかかるから生産拠点の設置は難しい」とおっしゃっていた。

やはり「教育」には、設備投資など「計画し計算できるコスト」とは違った「コスト」がかかるのだ。

「高レベルの品質」を維持するためには、「単に労働単価が安ければよい」と言うものではないのである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ224号より)


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