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またもや「夏休みのプールで痛ましい事故」が発生した。

事故が起きたのは、2011731日の大阪府泉南市の市立砂川小の一般開放のプール。

砂川小学校1年生の保苅築君が溺れて死亡したのだ。


事故当時、プール監視員は、4名体制の所、2名が欠勤し、2名はプールサイド以外の場所で別の作業をしていたという。

これは、明かに「人災」である。


直接の事故原因は「小学生がプールで溺れたこと」であるが、市がプールの監視業務の委託業者に要求している「仕様書」通り、「4人の監視員」をプールサイドに張り付けていたならば、保刈君は、助けられたハズである。

しかし、規定通りの監視員はいなかった。

各新聞情報によると、安全管理の業務委託を受けたビル管理会社「ダイショウコーポレーション」の男性社長(35)は、「アルバイト代が払えなかった。管理に問題なかった」と論理矛盾する説明を市教委に運営実態を説明している。

続報が待たれるところであるが、「規定通りの監視員を常駐させて業務をしていなかったのに管理に問題はなかった」と主張するのであれば、「説明が論理矛盾」である。

要は、「委託業者としての説明責任を全く果たしていない」経営者である。

私が、泉南市民であれば、「業者の入札参加資格に問題があったのではないか?」「受託業者は管理能力がないのに入札に参加できたのはなぜか?」と調査要望を出すであろう。


また、各新聞情報によると、泉南市教育委員会の発表では、7月から市内の小中学校で合計37回のプールの一般開放があり、規定通りの監視員を配置していたのは、わずか5回だったという。

また、保護者からの指摘を受けて、市教委が巡回して業者指導をしていたらしいが、事故当時は「監視員の人数」を確認しなかったらしい。


これらのことから、想定される事故原因をランダムに挙げると、

◇入札参加資格は適切だったのか?

◇落札最低価格は決められていたのか?

◇落札最低価格が決められていたとすれば、妥当な価格だったのか?

◇仕様書通りの業務を実施しなかった場合、ペナルティは決められていたのか?

◇市教委は、委託業者の監視手順はあったのか?

◇市教委は、巡回指導手順を決めていたのか?

などが考えられる。


商行為上の責任問題だけでこの事故を考えるのであれば、「受託した安全管理委託業者の契約不履行」が最大の原因である。

ただ、

◇規定通りの監視員を配備しないケースが常態化していた

◇アルバイト代が払えなかった

などの事実より、「管理能力がない業者が業務を受注していた」「管理業務を遂行する上で適切な価格で受注していなかった」可能性がある。

要は、受注競争が厳しく、ダイショーコーポレーションは「そもそも無茶な価格」で落札したのではないだろうか。


私は、仕事を通じて、「プール監視業務を受託している業者」の監査に行ったことが何度もある。

現状をお聞きすると、「競争が厳しくて、無茶苦茶な価格で札を入れてくる業者が多い」という話をよく聞く。

ある業者は「清掃業務は手を抜いても事故の可能性は少ないが、プール監視業務は手を抜いたら即事故につながるから無理な価格では仕事を絶対に取らない」と言っていた。


役所が「直営業務」を外注化するようになり「低価格競争」に勝った業者が受注する世の中になっている。

しかし、「本当に業務能力がある業者に仕事を任すこと」が本質ではないだろうか。

国の公共工事や一部の自治体の公共工事では、「最低工事価格」が決められ、「総合評価方式」 による入札制度が行われている。

要は、「価格だけでなく技術提案してそれを実行できる能力がある業者」が落札できる仕組みである。


業務内容にもよるが、国や公共機関、都道府県、市町村発注の仕事は、原則的に「マネジメント能力があり、技術提案力、業務改善能力などがある業者」しか受注できない制度に早くするべきである。

「安全」まで軽視して、「価格」を優先するようになったら、お隣の「かの国」と一緒である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ240号より)


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