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「環境経営システム」と呼ばれる「マネジメントシステム規格」は、国際規格であるISO14001をはじめ、環境省が制定したエコアクション21や京都マネジメントスタンダード(KES)のような地域版環境経営規格などたくさんある。



環境経営システムの認証を取得しているいくつかの会社に訪問して、実態をお聞きすると、まだまだ、

◇「会社の事務局に任せておけば認証は維持できる」と社長が安易に考えている

◇エコ宣言のように、「単なるエコ活動」と勘違いしている

企業が多い。

つまり、企業の経営課題の解決ツールとして、環境経営システムが活かされていないのだ。



「単なるエコ宣言」は、例えれば、「会社や社員による献血運動や募金活動」みたいなものであり、「環境経営」ではない。

献血運動や募金活動であれば、「経営システムとしてのPDCAサイクルを適切に構築して、運用し、改善すること」よりも、「スローガンを掲示し、経営者が社内に協力要請をお願する」といった「心がけや精神論、根性論レベル」でよい。



しかし、「環境経営」となれば、話は別で、節電や節水、廃棄物の適正処理の知識向上や環境に関する法規制の知識向上はもちろん、業務改善情報となる顧客情報や外部情報、社内の検査情報や改善提案情報などを適切に収集して分析し、効果的かつ効率的に重点目標を決めて仕事のやり方を見直していく必要がある。



したがって、「環境経営の本質」を知ることで、「当社はエコ宣言だけで十分です」といって環境経営システムの導入を「時期尚早」と先送りされる会社は、ある意味、賢明な選択かもしれない。

繰り返すが、「エコ宣言」は「環境経営の一部」ではあるが、宣言だけなら、目標管理もPDCAサイクルをスパイラルアップすることも業務を標準化することも、「考慮しなくていい」から、要は「掛け声だけ」で済むから、カンタンですが、環境経営は、そうはいかないのだ。



今まで経験した範疇での話ではあるし、経営を考える上での「良し悪し」は別にして、多くのオーナー経営者は、

「創業家が儲かる仕組み&従業員は小作人」

「現在の事業にうまみがなくなったら会社をたためばよく、歯を食いしばってまで会社を続けない」

という想いがホンネの方が、かなり多く存在する気がする。



したがって、

「会社のノウハウを蓄積させていきたい」

「従業員の成長と幸福を心底願っている」

「従業員から闊達な意見が出る会社にしたい」

と真剣に思っていない。



以前に、地元で「名経営者」と言われ、講演会などにもよく呼ばれている社長さんと雑談していて、ちょっと「口げんか」っぽくなったことがある。

それは、

「ありがさん(私)は、従業員から工夫や提案がでるような企業体質を目指しましょう、といわれるが、うちの従業員は賢くない。賢くない奴に考えろ、と言っても仕事の能率が下がるだけで、(経営者の)指示に(忠実に)従ってくれる社員を育てさえすればいいんです」

とはっきり言われた。



もちろん、この会社は、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムの認証を取得している会社さんである。

私は、雑談でしたが、社長にこう言われれば、私は、もう二の句が継げませんでした。

心の中では、

◇じゃ、なんで、ISOをやっているの?

ISO取得は、外部に対するアピールだけのためだけなの?

◇ノウハウを会社に蓄積して、共有化を図り、より改善できる組織を目指しているんじゃないの?

◇社長が退任した後も会社を長く存続させるために、マネジメントシステムを構築し、改善するんじゃないの?

・・・「極めて経営を真面目に考えている」ような企業が「ISOなどマネジメントシステム規格の認証企業には多い」と思っていた私には、がーん、となるできごとだった。



ある人が言う。

「人は、ある程度のお金を手に入れると、次には、人から褒められたい、といった名誉欲が働く」と。

つまり、創業者あるいは、創業家として財をなした多くのオーナー経営者は、自分の立身出世物語を、他の経営者と語って「社長さんの会社はすごいですね」と言われたいだけの経営者も意外と多いのだ。

もちろん、それば「名誉欲」だから仕方がないが、それだけだと、ISO取得などは、「社長はすごいね」と言われたいだけの道具になってしまう。

したがって、経営者が先頭に立って、マネジメントシステムを活用していないから、「審査のための資料づくり」しか結果的にしていない。



今さらだが、「ISOはアングロサクソンが作った陰謀だ」、「日本には、阿吽の呼吸 という伝統的な文化があって、文書や記録になっていなくても実質的にやっている」、「ISOは文書や記録ばかり増えてムダだ」という「ステレオタイプの経営者」がまだまだ、たくさんいる。

自分に都合のいい情報だけを都合よく解釈し、現代社会の価値観の変化をきちんと捉えて、検証していない経営者である。

賢明な読者ならわかるように、これは全くの誤解で、ご本人が「経営マネジメントの本質」に、まったく関心を持たず、事務局に「認証維持」の役目だけを押し付けているから、そのように映るだけであり、ムダに文書類が会社に増えていくのだ。



それにしても、ISO取得企業に審査でお伺いして、「現状の売上」や「売上に占める製品やサービスの比率」、「会社の強み、弱み」、「会社の事業戦略」などをお聞きしていると、「ISOの審査なのに、“経営のことを聞かれるんですね”」と、バカな質問をしてくる経営者が、なぜだか、まだまだ多い。

「あの~、品質目標も環境目標も、23年後には、会社をこのようにしていきたい、という経営戦略がないと、設定できないはずなんですが。。。」だ。



品質目標や環境目標、安全や情報セキュリティ、CSRなどの目標は、「会社がまっ先にやるべき重要な活動」と一致しない以上、「審査を受けるために作成した目標」になり下がってしまう。

経営者の認識が低いと言うべきか、・・・それとも指導したコンサルタントのレベルが低いと言うべきか。

う~ん、である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ237号より)




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