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ここ数年、自動車メーカーやOA機器メーカー、電気機器メーカー、損害保険会社が販売代理店に対して「環境経営システムの構築・実施」を要求するケースが多くなってきた。



しかし、要求された「販売代理店」の実態を見ていると、

◆「環境経営」を極めて矮小化して捉えている

◆なぜ「環境経営の導入」が求められているのか理解していない

ケースがほとんどである。



まず、前者の「環境経営について極めて矮小化している」である。

この点については、そもそもは「自分達は販売会社であり環境とはあまり深くかかわっておらず、環境への取り組みを実施したところで環境への影響は高々しれている」という認識だ。



確かに「販売会社」では、基本的に、商品自体を設計・製造しているわけではない。

「自動車販売会社」を例に挙げれば、

◇燃費や排ガスをの影響を左右するのはメーカーの設計

◇製造過程で生じる廃棄物は主にメーカーで発生する

◇規制化学物質の使用についても、メーカー側の責任

◇販売会社でできることは「燃費性能がよく、低公害の車を売ること」ぐらい

◇販売会社で使用する資源や発生する廃棄物は大した量ではなく環境影響はない

といった理解の会社が殆どである。



したがって、「自動車販売」の会社が「イメージする環境」は、

◇低公害型自動車であるハイブリットカーや電気自動車の販売数を増やす

◇燃費性能が高い車種の販売数を増やす

といったものが大半で、あとは、事務所において、

◇電気をこまめに切る

◇ごみを分別する

◇事務用品について再生紙などリサイクル製品を使用する

といった活動にとどまっている。



しかし、このようなレベルで環境への取組を捉えると、「環境のための活動をやらされている感」が生じてくるのだ。

具体的にいえば、「車をお客様に売る」ということを考えれば、本質的に目指すべきところは、「お客様に満足いただける車を売る」が目的であるはずだ。



その延長線上で「環境」を意識すれば、

『ハイブリットカーなど燃費効率がよい車に乗っていただきランニングコストを下げていただきたい』

といった「ハード面」による環境対策だけでなくなる。



つまり、たとえば、「予算が30万程度しかない中古車を買いに来たお客様」や「修理や点検整備、車検のお客様」に対して「販売会社が環境上配慮することはない」といった認識ではなくなるはずだ。

しかし、「環境=環境対応車種の販売」と頭っから思い込んでいるから、「中古車販売」や「点検など」について「環境を意識しない」のだ。



顧客満足が営業マンの本質であるならば、お客様の車の利用目的を確認して、

◇ひとりで乗ることが多い

◇乗る目的は買い物利用が主で遠出利用は少ない

◇年間の走行距離も少ない

事がわかれば、新車、中古車問わず「燃費効率の良い小型車」を基本的に勧めるはずだ。

まさに、このことが「環境に配慮した顧客要求を満たした仕事」である。



◇◇◇



次に『なぜなぜ「環境経営の導入」が求められているのか理解していない』である。

販売会社に「環境経営」を要求するメーカーなどは、「環境対応型と呼ばれる商品の販売数を増やして社会的に環境に配慮した会社であることをアピールしたい」という本音もあるだろう。



しかし、究極的には「ユーザーに満足されない商品をたくさん売ったとしても顧客満足度を高めなければ、次の販売につながるリピーターや紹介案件アップ」に繋がることはない。

つまり、

『リピーターや紹介案件につながる対策(顧客満足)を無視してまで地球環境のために、環境対応商品をお客様に売りまくれ』

と販売代理店に要求するメーカーや損害保険会社はないだろう。



したがって、「環境経営導入」を要求する側の本質としては、「顧客満足を向上する上で環境を意識して販売会社として成長するためのマネジメントをして欲しい」「リスクを自ら想像して想定しマネジメントして欲しい」ということである。



しかし、このことは、多くの販売代理店は、腹に落ちた理解はしていないのが現状である。

そもそも販売代理店組織は、業務が属人化していて、「販売ノウハウは個人財産」という認識が高い。

したがって、

「成功あるいは失敗情報を共有化する」

「業務を標準化し継続的に改善する」

CS(顧客満足)と環境はリンクしており、環境だけ独立しか活動ではない」

といった思想を組織体質としていない。

この組織特性を、経営者が理解し「今後は、見直してきちんと組織としてマネジメントしていかなければ組織の成長はない」という発想に切り変えない限り、メーカーなどが要求している『環境経営導入』がなぜ要求されているのかを理解し、きちんと取り組むことはできないであろう。



それにしても、企業が成長するための本質は「顧客満足度の追及と継続的なマネジメントシステムの改善である」という原点で考えれば「環境経営の本質」もその延長線上にあることは「当たり前の理屈」として理解できるはずなのであるが、現実はそうなっていない。

おそらく「環境」という言葉から想像される一般的なイメージが強烈に独り歩きしていて「企業においては何をすべきか」が多くの人に理解されていことが最大の原因なのであろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ235号より)


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