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東北地方太平洋沖地震に伴う「福島第1原子力発電所の事故」について、誰が「事故調査・検証委員会」の委員長になるのだろう?と注目していたが、2011524日に東大名誉教授の畑村洋太郎先生(70)が指名された。


畑村洋太郎先生と言えば、その名を世間に有名にしたのは「失敗学」という概念だ。

「失敗学」とは、「何が間違っていたかを原因を突き止め、再発防止や未然防止策を研究する学問」のことで、概念自体は、昔からあった。

しかし、「失敗学」として、学問的に体系化させ、「失敗学」という当時としては注目を引くネーミングで世間に注目を浴び、一般に知らしめた功績は大きいといえるだろう。


「失敗学」の世界では、失敗の種類を次の3種類に分類している。

(※ウィキペディアより引用)

◇織り込み済みの失敗。ある程度の損害やデメリット は承知の上での失敗

◇結果としての失敗。果敢なトライアル の結果としての失敗

◇回避可能であった失敗。ヒューマンエラー での失敗


上記のうち1番目と2番目の失敗は、いわゆる「いい失敗」と呼ばれている。

つまり、「失敗は成功の元」となり得る失敗のことである。

3番目は、いわゆる「悪い失敗」と呼ばれるものだ。

つまり、失敗からさらなる悪循環 が生まれる失敗のことで、想定して準備しておけば防げた可能性があるのに、想定が不十分、あるいは、想定したにもかかわらず準備不足のために事態を混乱させて、さらに状況を悪くしてしまうのだ。


もうちょっと、分かりやすい表現をしているのは、経済評論家の勝間和代氏である。

勝間氏は、この「いい失敗」と「悪い失敗」について、『達人に学ぶ「知的生産の技術」』(エヌティティ出版)の中で以下のように述べている。

(以下、引用)

失敗にはいい失敗と悪い失敗があり、あらゆることをやり尽くしたうえで

予見できずに起こる失敗は、いい失敗です。
一方、悪い失敗は、やるべきことを十分しなかったために起こる失敗です。
何ら対策を講じなかったために起こした失敗は、最も悪い失敗といえるでしょう。

(引用ここまで)


つまり、「いい失敗」とは、例えば、「新しい商品開発をする時」あるいは「新しいビジネスモデルにチャレンジする時」などをする時に、市場調査をしてニーズ予測をして、原価計算をし、従事する要員のスキル管理し、生産やサービスプロセスを最適に計画して「理論上は絶対にうまくいく」状態を作ったとする。

このような時は「あとは、やってみて検証するしかない」という状況だ。

しかし、結果としては失敗したとする。

このような失敗は、「多くの関係者がやるべきことはやった」と考えているし、「やってみなければ次のステップに進めない」のだから、関係者は失敗自体には「仕方がない」と納得だ。

だから、「何が失敗の原因だったのだろう?」と追究することが冷静にできて、次につなげられる。


一方、「悪い失敗」の例は、今回の福島原発でいえば、「津波による原発の電源供給設備の破壊」は、過去の地震と津波から想定できたのだ。

「ここ100年ぐらい大津波がなかったから想定はしなかったし、その対策はする必要はないと考えた」と仮に東京電力や関係する政府や原子力発電設備の設計メーカーが言うのであれば、「想定不足あるいは想定に対する準備不足」であり、まさに「悪い失敗」である。

原子力の場合は、「もしも」が実際に起れば、何十年(下手をすると何百年)に亘って、放射能汚染などその影響が周囲に発生するのだから、「地球史上経験したことがないレベル」で原発設備を設計・製造・運転管理するべきだろう。


それを「経済的に効率的なレベルで安全管理を実施し、設計・製造・運転可能にしなければ電力会社は利益が出ない」というのであれば、「原子力発電はやらない」という判断が本来必要なのだ。


福島の人達が、今回の事故で、東電や政府など関係者に対して怒っているのは、「絶対に事故は起きない、安全です」とウソを言い続けてきたからだ。

つまり、「政府、電力会社、設計・製造メーカー、地元自治体」など原発利権を握る人たちのために建設推進してきたとも結果的には言えるのだ。

今回の地震で、「100m200mの津波」が発生したのであれば、「地球が経験したことがないレベル」の災害なので、まだ諦めもつくだろうが、今回の津波は、「日本において過去なかったわけではない」のだ。


畑村先生の話し方や考え方は、著書「失敗学のすすめ」(講談社)とテレビ番組「世界一受けたい授業」でしか拝見したことがないが、「政府に都合のよい御用学者」とは成らずに、バッサバッサと社会システムも含めて、問題点を指摘して欲しい。

また失敗学的なものの見方・考え方のベースとなる「マネジメント思考」の重要性が、昨年の「もしドラ」に引き続き、世間に理解されることを期待したい。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ230号より)



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