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2011年 3月11日 に発生した「2011年東北地方太平洋沖地震 」に関連するマスメディアの報道は、「地震直後」は、『各地の被災状況』、そして「生存確率の高い目安となっている72時間」あたりまでは、『救出劇』、そして、現在は、『避難所生活をおくる人々への支援関係』と『福島第一発電所事故関連』の報道が中心になってきた。
マスメディアが報道しているので、ご存知の方も多いと思うが、そもそも論として、現在、日本だけでなく、世界中の原子力発電所の原理は、ウランを原料とした「固体燃料炉」である。
原子力発電の原理としては、
◇高純度のウランなどで燃料物質を作りそれらを臨界状態になる位置に接近させる
◇ゆるやかに核分裂反応を起こさせ、核物質の入った燃料棒が核分裂反応で熱くなる
◇熱くなった燃料棒を利用して水を沸騰させて高圧蒸気を作る
◇その高圧蒸気でタービンを回転させ発電機で発電する
◇原子炉で発生した蒸気を再度水に戻すためや、使用済みの核燃料を冷やす
という仕組みだ。
しかし、今回の福島第一発電所の事故は、地震に伴い「圧力容器内の水位が低下し、その結果、炉心が高温になり、通常は、緊急炉心冷却システムが作動して温度を下げるはずであるが、非常用電源の故障で冷却システムが作動せず、水蒸気爆発 の可能性が高まった」というものである。
つまり、燃料棒が冷却されず、高い余熱のために原子炉容器内で制御棒や燃料棒自体を溶かしてしまう現象(いわゆる、炉心溶融=メルトダウン)が置きてしまうことが「最悪の事態」であり、まさに「原子力事故」である。
「メルトダウン」が起きると、原子炉圧力容器 や原子炉格納容器 、原子炉そのものが破損され、放射性物質 を周囲に拡散させてしまうからだ。
しかし、現在の福島原発の状態は、枝野官房長官の発表では、「爆発で崩落したのは外側の建屋で、中の原子炉格納容器は無事。何らかの理由で格納容器から漏れ出た水素が建屋内の酸素と結び付き、爆発したとみられる。」とのことであるから、「最悪の事態」には至っていない。
もちろん、日常的に、自然界、あるいはCT検査などで人口的に私たちが浴びる放射線量と比較すれば、「異常値」ではあるが、即座に「吐き気」などを催して健康被害に至るものではないから、過剰に悲観的な反応するのは得策ではないだろう。
今回の福島原発の事故をきっかけに、「原発廃止」の動き世界的に出てきていると言うが、現実的に捉えて、資源小国の日本において「化石燃料を使用した火力発電」に先祖返りすることは現実的でない。
だいいち、「化石燃料は、いずれなくなるし、地球温暖化に影響がある」のだ。
しかし、「固形燃料炉」のシステムで稼働する現在の原子力発電では、
◆核廃棄物として生成されるプルトニウムが軍事利用される危険がある
◆使用済み核燃料再処理工場・高速増殖炉は経済的に破綻している
◆設備が大型で高額、そして暴走やメルトダウンなど重大事故を引き起こす可能性が高い
という問題点がある。
これら「原子力発電の欠点」をほぼ解決する方法が、トリウムを原料とした「液体化燃料炉」、いわゆる「トリウム熔融塩原子炉」である。
日本においては、元東海大学開発技術研究所教授の古川和雄博士らが中心になって、NPOトリウム熔融塩国際フォーラムで研究している。
紙面の都合で、簡略化して紹介するが、「トリウム熔融塩原子炉」は、
◇原料のトリウムの埋蔵量はウランに比べて豊富
(※トリウムは遍在しており、ウランのように独占されない)
(※ただし、ウランは2150年ごろ、トリウムは2210年ごろ枯渇との予測あり)
◇固体でなく液体核燃料を使うため、重大事故は原理的に起きえない
◇原子発電所の小型化に適しており、経済性が高く世界展開が可能である
◇プルトニウムなどの重い元素を生成しないので、核拡散・核廃棄物問題が大きく改善される
といった利点(メリット)を有している。
では、なぜ、これほどまでに「ウランを利用した固形燃料による原子炉よりも安全性・経済性などにメリットのある液体化燃料炉であるトリウム熔融塩原子炉が国策として進まなかったのか?」である。
自由民主党の河野太郎代議士のブログでは、「電力会社、経産省、族議員のトライアングルによりを開発が抹殺されてきた」というようなことが書かれている。
http://www.taro.org/2010/12/post-871.php
要は、建設費やランニングコストなどが安いトリウム熔融塩原子炉では、ウラン燃料で開発を進めてきた大企業や関係企業が儲からないから、利権が得られず、「無視」してきたということであろう。
お隣の中国では、「トリウム熔融塩原子炉」の開発が始まっているという。
ひとくちに「原子力は危険だから・・・」と正確とは言えない先入観と感情論で原子力発電を頭ごなしに否定するのは、現実的ではない。
今回の「福島原発の事故」をきっかけにして、ウランより安全性・経済性のメリットがある「トリウム熔融塩原子炉の開発推進」を国民の声として広げていくべきではないだろうか。
なお、「トリウム熔融塩原子炉」の詳細については、古川和男博士が、「原発安全革命」(文春新書)というタイトルの新書として2011年5月20日に緊急発売した。
私は、2006年にチェコのプラハで開催されたトリウム熔融塩原子炉に関するシンポジウムに古川博士に同行させていただいたことがあるが、84歳の現在もまだ「トリウム熔融塩原子炉」に対する情熱は衰えていない。
ぜひ、ご一読されることをお勧めしたい。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ220号より)
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