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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を通じて感じたことのひとつに「緊急事態や事故に対する想定とその対応手順は、どこまで考慮しておくべきなのだろうか?」と思った。
「備えあれば憂いなし」ということわざは、「万一に備えて、あらかじめ準備をしておけば、事が起こっても少しも心配事がない」ということで、確かにその通りであるが、「心配事が絶対にゼロ」という状態を作ることは、経済合理性を考えれば、社会的に限界がある。
また、想定される緊急事態や事故によって「万一(万分の一)」レベルの対応策でいいのか、「億一」レベルまですべきなのか、逆に「千一」レベルぐらいで十分とすべきなのか、そのレベルは異なってくるだろう。
例えば、津波対策。
岩手県釜石市にあるギネスブックに「世界一」と認定された堤防は、1896年に発生した明治三陸地震や1960年に発生したチリ地震による津波を参考に想定し、設計され、総工費1215億円、完成までの年月は31年を要し、2009年に完成した。
しかし、その釜石市でさえ、甚大な被害が発生した。
この「世界一の堤防」については、「もし、なかったら、さらにもの凄い被害」が発生していただろうと思う。
ただ、被害は、想定を遥かに上回った。
この時に「では、さらに、巨大な堤防を・・・」と考えるべきなのか?
個人的には、想定被害に対する対応策は“北風と太陽”的に考えれば、“北風的対策には限界がある”と思っている。
つまり、「北風」を言い出したら、三陸海岸をはじめ、今回地震が発生した東北地方の太平洋沿岸に10兆や100兆円掛けて巨大な堤防を作ると言う発想になってしまうし、仮に、それだけのコストを掛けたからと言って、さらにその想定を上回ってしまう可能性もある。
したがって、例えば(数字は仮の数字)であるが、
◇堤防で防げるのは、10m程度の津波まで
◇一般住宅は、30m程度の津波が発生しても問題ない高台に作る
◇行政機能がマヒしない為に市町村庁舎は、50m程度の津波が発生しても問題ない高台に作る
といった割り切りが必要だろう。
また、「漁村」の作り方にしても、「住職近接」(住宅と職場が隣接、あるいは同一)という発想は、止めた方がいいのかもしれない。
つまり、三陸海岸などでは、「漁業をはじめ、海関連の職場へは、高台にある住居から通う」という構造にしなければ、いくら巨大な堤防を作ったとしても、キリがない。
話は少し変わるが、聞くところによると原子力発電所の設計思想(国の基準)では、今回の地震に対して「揺れ」については、まったく問題がなかったらしい。
具体的には、3月19日の東京電力の発表によると、福島第1原発6号機が東日本大震災で観測した揺れの強さについて、「東西方向431ガル、南北方向290ガル、上下方向244ガル」だったそうで、設計上の基準値は、「東西448ガル、南北445ガル、上下415ガル」で、どの方向の揺れも想定以内に収まっていたという。
しかし、津波については、約5メートルしか想定していなかったという。
つまり、原発の耐震設計審査指針は、「耐震基準は妥当性があったが、津波災害対策の基準は甘かった」ということになる。
このことから、原発の設計基準については、「過去の地震と津波に照らし合わせて・・・」といった「万が一」レベルではダメで、「億が一」で考える必要があるということだ。
「億が一」でない発想で考えるとしたら、例としては、
◇原子力発電の地震・津波想定地区への建設禁止
◇冷却装置がダウンしても炉心融解しない発電システムの開発
◇原子力以外の水力・火力など代替エネルギーへの切り替え
であるが、「代替エネルギーへの切り替え」は長期的に見て、得策ではない。
今回の地震では、その他にも、「携帯電話の基地局の電源対策」「電力不足に伴う計画停電のあり方」「戸籍データのバックアップ体制」、「災害時の道路・鉄道・航空などの交通と物流体制」などなど、たくさんの「想定のやり直しと対応手順の見直しの必要性」&「その思想(考え方)」を私たちに教えてくれたといえるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ221号より)
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