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「疑わしきは罰せず」とは、「刑事訴訟において、犯罪事実がはっきりと証明されないときは、被告人の利益になるように決定すべきであるという大原則」のことである。
「八百長問題」について、日本相撲協会が2011年4月1日に臨時理事会を開催して決定した中身は、「刑事訴訟における大原則」とは異なり、「疑わしきを罰した」結果だったといえるかもしれない。
各メディアの報道によると、「引退勧告」「退職勧告」「2年間の出場停止」の厳罰を通告された力士と親方の合計23人に対する「引退届の提出期限」は、4月5日で、提出した力士と親方は22人だったという。
唯一拒否した「元小結海鵬の谷川親方」は、記者会見で「処分に納得がいかない。退職届を出せば、八百長を認めたことになる」と意思表明を行ったという。
現在の状況では、「決定された厳罰」は「引退」「退職勧告」「2年間の出場停止」と分かれているが、その違いは「辞めてください」の理由が違うだけで、要は「名誉」の問題だけで、事実上は「23人全員」に対して「引退(退職)届」の提出を迫ったものだから、これに応じなかった谷川親方は「永久追放」などの処分を受けるのであろう。
プロスポーツ界を揺るがす「八百長問題」と言えば、1969年~1971年にかけて発生した「黒い霧事件」が思い出される。
この「黒い霧事件」で処罰された関係者は合計20人に及ぶ。
大相撲のケースと処分レベルを比較してみたいと思う。
【2011年4月1日に下された大相撲の八百長問題における処分】
「引退勧告・退職勧告」:
◇携帯電話などで八百長を疑われているメールをやり取りしながら関与を否定した
(力士・親方の合計20人)
「2年間の出場停止処分」:
◇八百長への関与を認めた
(力士・親方の合計3人)
【1969~71年の黒い霧事件(プロ野球)】
「永久追放」(事実上の永久追放含む):
◇八百長行為の実行
◇八百長行為の実行と勧誘
◇八百長行為の依頼を受け現金授受
◇オートレース八百長に参加
(選手9人)
「1年間の野球活動禁止」:
◇八百長行為の勧誘を受け報告せず
(選手2人)
「1~3ヶ月の出場停止」:
◇オートレース八百長に参加
◇単純賭博行為
(選手3人)
「1ヶ月の謹慎処分」:
◇野球賭博疑惑のある暴力団と交流
(選手1人)
「無期限出場停止と減給」:
◇暴力団と交流
(選手1人)
「戒告処分」:
◇暴力団と交流
◇八百長行為の勧誘を受け報告せず
(選手2人)
「厳重戒告処分」:
◇八百長行為の勧誘を受け報告せず
(選手2人)
当時と時代背景が違うので、単純に比較はできないが、「黒い霧事件」の場合は「八百長行為の勧誘は受けたが実行はしなかった。しかし勧誘を受けた事実を報告しなかった」ケースは、「期限付きの活動禁止や戒告」処分となって、選手として復帰できた。
しかし、大相撲の場合は「八百長行為の勧誘の疑い」だけで「引退」に追い込まれているので、処分は大相撲の方が重い感じがする。
ただ、プロ野球の場合は、20勝投手だった池永正明氏(2005年に永久追放処分の解除)など当時の主力選手が数多くおり、世間に与えたインパクトは大きかった。
しかし、世間にも、大相撲会の人気・運営面でも影響力が大きい三役以上の現役力士の名前は、最後まで出てくることはなかったので、「八百長への疑いだけで有無を言わせず引退通告」は、なんだか、「いち早く大相撲を正常化したいがためのトカゲの尻尾切り」に映る。
もちろん、今までのように、八百長問題などを「ウワサレベル」で終わらすことなく、「一応のケジメ」を付けたことは、大相撲の歴史において一歩前進である。
大相撲ファンのひとりとしては、はやく健全な組織体制を構築していって欲しいと願う。
ただ、こうした改革は遅すぎたのかもしれない。
基本的に、大相撲を「伝統芸能・興業ではなくプロスポーツ」という観点で位置づけるのであれば、「年寄株問題」「相撲部屋制度」「組織の理事が親方を兼ねている」「親方が審判を兼ねている」といった諸問題について、なんの問題視もせず放置してきた期間が長すぎたといえるのだろう。
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