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2011年3月14日の夜に発生したみずほ銀行のシステム障害の復旧は、3月22日までに処理すべきだった振込1169件が、3月24日にすべて完了したという。
とりあえず、これで、本日(3月25日)に迎える190万件と言われる給与振り込み等の集中日を向かえる態勢ができた。
しかし、法人向けサービスは、まだ一部が、利用できない状態であり、25日の振込件数が膨大であることから、システムがこの負荷に耐えられるか否かは、25日の営業開始時刻となって、フタを開けてみなければわからない。
それにしても、今回のシステム障害による振込手続き処理遅れの原因は、みずほ銀行側からは、明確に説明されていない。
現在までのみずほ銀行の説明では、西堀頭取が「特定口座への大量の振込がきっかけになった」と原因を説明したのみである。
この説明から想像すると、
◇特定口座への振込件数が想定以上の件数だった
◇想定以上の振込手続きが発生したために情報システムがオーバーフローした
◇システムエラーの発生により夜間の集中処理(バッチ処理)に影響した
◇その他の振込未処理案件も発生した
と言うことだろう。
それにしても、噂されるように「特定口座」とは、本当に「義援金口座」なのだろうか?義援金の窓口は、例えば、日本赤十字社は、「ゆうちょ銀行」と「三井住友銀行銀座支店」「三菱東京UFJ銀行東京公務部」だし、テレビ朝日が実施している「ドラえもん募金」は、「三井住友銀行東京営業部」、TBS系の「JNN・JRN共同災害募金」も「三井住友銀行赤坂支店」、ホリプロの「あの鐘を鳴らすのはあなた基金」も「三井住友銀行目黒支店」だ。
つまり、今回の東北地方太平洋沖地震の実害と社会に与えたインパクトが大きかったにせよ、義援金口座は分散しており、素人が大変なことを申しているとは思うが「他行がパンクしていないのに、この程度の振込集中でシステムがパンクするみずほ銀行ってどうよ」という感がある。
要は「システムが負荷に耐えられる容量の想定があまく、システム障害を引き起こさないような予防対策も不十分」だったと言わざるを得ない。
また、西堀頭取の説明にも、違和感があった。
それは、会見で「システム上の手当が十分でなかった。銀行側のヒューマンエラー」と説明したことだ。
ヒューマンエラー (human error) とは、広義には「人為的過誤やミス(失敗)」を指す。
日本の国家規格である「JIS Z8115:2000」の定義では「意図しない結果を生じる人間の行為」と規定されている。
したがって、「ヒューマンエラー」という説明には、
◇肉体的疲労や勘違いなどで集中力が散漫になり発生する人為的ミス
◇情報システム責任者・担当者が意図しない結果を防ぐことができなかった人為的ミス
というニュアンスを含んでいる。
つまり、なんとなく会見のニュアンスでは、「情報システム開発者や運用管理責任者、担当者のミスである」と言っているように聞こえ、今回のシステムトラブルを原因とした振込大量遅延は、「経営者の預かり知らぬところ」とのホンネが見え隠れする気がした。
仮に、「餅は餅屋」で「システムの容量設定や設備投資計画の責任」が、情報システム総責任者にあったとしても、想定容量やシステム障害に対するリスク管理上の設備投資計画、あるいは、経営資源的に設備投資が厳しければ、予防対策とシステムトラブルや事故が発生した場合の万が一に備えた対応手順に妥当性があるか否かを判断していくのは、経営陣の役目である。
そもそも、金融機関、特に、銀行としての大きな「顧客満足」のひとつとして「銀行利用者が、お金の出し入れをする際に、川の水が流れるように、なに不自由なくお金を流通させること」であり、「そのために不足していること、リスクとして考慮しなければならない事」に関する日常的に情報を収集して、適切かつタイムリーな経営判断を下すという至極当たり前なことが経営陣の中で軽視されてきていたのではないだろうか。
金融庁は、みずほ銀行に対して「業務改善命令」を出したというが、「銀行にとっての顧客はカネを借りてくれる人で、カネの出し入れをする人はついでの顧客」という意識を銀行の体質から完全に取り除かなければ、上辺だけの「業務改善」となるだろう。
保険業界は「不払い問題」を契機に、「新規契約重視」体質から「既存契約者満足重視」体質に徐々に発想や思考、管理体制などを切り替えている。
銀行が「銀行の社会的役割は、身体でいえば血液のような役割である」と言うのであれば、静脈や動脈(大型融資案件)だけでなく、毛細血管(お金の出し入れによる小商いの手数料案件)にも気を配る経営体質とマネジメントシステムづくりが急務なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ221号より)
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