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マスコミが大騒ぎして、容疑者が逮捕にまで至った「2つの事件」を振り返ってみたい。


ひとつは、「強要未遂の疑いで、任意で取り調べた会社員男性に暴言を浴びせたとして、脅迫罪に問われた起訴された大阪府警東署の警部補高橋和也被告(34)」である。

高橋被告は、この取り調べにおいて、会社員男性に対して「殴るぞ」などの暴言を吐き、その様子が、会社員男性が持っていたボイスレコーダーに録音されていて、マスコミを通じて、大々的に報じられたのだ。


この報道は、取り調べの可視化の社会的機運を高めるひとつのきっかけになったことでは、大変意義がある。

しかし、世間に対して、この報道が強いインパクトを与えたのは「録音されていた“殴るぞ”などの暴言部分のみ」であることは否めない。

テレビニュースの特性として、「インパクトのある部分のみ」放送で使用するのは、ある程度仕方がない。

しかし、取り調べの前後関係をよくチェックし、高橋容疑者が、「殴るぞ」発言に至った経緯や理由も調査し、報道しなければ、報道として片手落ちだ。


現に、310日に「強要未遂で任意で取り調べを受けたられた大阪府吹田市の会社員・岡本和真容疑者(35)」は、同容疑で再逮捕された。

この容疑は、岡本容疑者は何らかの方法で手にした免許証の持ち主の女性に対し、女性の写真を添付し「会いたい」という趣旨のメールを送った疑いである。

逮捕の決め手になったのは、岡本容疑者の妻が「知らない人の免許証が家にある」と岡本容疑者にメールをしていたことが分かり、警察は容疑を裏付ける根拠と判断したのだ。

高橋被告が取り調べを行う際に、どこまで「強要未遂に関する情報」を掴んでいたのか定かではないが、たとえば、任意の取り調べの中で、「あいまいな点」「矛盾点」が多々あり、「暴言」につながったのかもしれない。

もちろん、「取り調べ中の暴言」は許されることではない。

ただ、わたしたちは、「取り調べ中の暴言だけ」を捉えて、高橋被告の「逮捕への社会的機運」を高めてしまったが、もしかしたら、「有能な警察官」を葬り去ってしまったのかもしれない。


もうひとつの「マスコミが大騒ぎして逮捕」に至った事件は、記憶に新しい「入試問題投稿事件」である。

ご存知のように、「カンニング」は、刑法では罰することができない。

しかし、「入試問題を投稿した予備校生」が受験した京都大学、早稲田大学、立教大学は「偽計業務妨害」で被害届を出したのだ。

ただ、はためからみれば「被害届を提出した大学が受けた、業務妨害とは何なんだろう?」と思う。


細かい話をすれば、入試問題の投稿により、

◇取材対応、問い合わせ・クレーム対応など事務業務が増えた

◇入学試験の採点において、投稿結果がどの程度影響を受けたのかの調査業務が増えた

ということが「被害」となるが、ただし、これらの業務を増やさせた要因は、マスコミの報道であり、予備校生ではない。

うがった見方をすれば、「被害届提出」は、自分達の入試管理体制の不備に対する批判を世間や受験生から隠すために映る。


しかし、「被害届」を出したことで、予備校生が逮捕に至り、仮に起訴されることにでもなったら裁判になるわけで、これらの大学の入試管理体制が白日のもとにさらされるわけで、恥をかくのは「大学側」である。

予備校生の供述によると、京都大学の場合は、会場の試験官が一度も予備校生の脇を通らなかったそうで、「会場での監視のやり方について、京都大学では標準化されていたのだろうか?」と思う。

管理体制が標準化されていないのに「入試制度の根幹を揺るがす事態」などとよく言えると思う。

ちなみに、予備校生が受験し、入試問題を投稿したとされる同志社大学は被害届を出さなかった。

予備校生は、社会的制裁を十分に受けており、同志社大学の対応は、常識的、かつ、まともな対応だと思う。


それにしても、この「2つの事件」を振り返ると、コラムニストの勝谷誠彦氏も言っているが、『話題になり視聴率や部数につながる』という判断で「執拗に煽るマスコミ」、そしてそれにより「煽られる世論」、「煽られて世論に迎合し、法を弄ぶ司法機関」という構図になっている。

私たちは、正しく情報を捉え、何が本質なのか、見極める力が必要と言えるのだろう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ219号より)



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