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実は、「日本は世界5位の農業大国」なのだそうだ。
この主張をされているのは、月刊誌「農業経営者」の副編集長の浅川芳裕氏だ。
浅川氏は、2010年2月に講談社から発行された話題を呼び、ベストセラーとなった『日本は世界5位の農業大国』の著者だ。
私を含めて、多くの日本人は、政府が発表する「食料自給率40%(カロリーベース)」という数字を長年に亘って擦り込まれ、
『農業は弱い。だからもっと農業を保護しないと日本人 の食料 事情は大変なことになる』
と思い込んでいる。
しかし、浅川氏によれば、「カロリーベースの食料自給率」とは農水省のマヤカシだ、という。
つまり、
◇したがって農業力を示す指標は「農業生産額」である
◇農業生産額であれば、日本は、中国 、アメリカ、 インド、ブラジル に次ぐ世界5位
◇食料自給率をカロリーベースで計算している国は、世界的にみれば、日本と韓国だけ
◇日本も1983年 までは生産額ベースで計算していた
◇比較のために示される主要先進国 の自給率も各国が算出・公表したものではない
(※農林水産省の官僚 がFAO (国際連合食糧農業機関)の統計 から導いたもので、計算根拠も未公開)
という背景があり、要は、農水省が「ある目的を持って国民の認識を操作する」ためのデータが「食料自給率」なのだという。
ちなみに、「カロリーベースの食料自給率」とは、
◇分母
⇒外国産・国産問わず、日本で流通している全生産物をカロリーに置き換え、それを人口で割って、1日あたりに換算したもの
◇分子
⇒国産分の生産物をカロリーに置き換え、それを人口で割って、1日あたりに換算したもの
で産出される。
しかし、この「食料自給率」の算出には、数字を低くするためのテクニックもある。
例えば、
◇食べ残しやコンビニの期限切れなども分母に含まれている
(※流通している生産物の4分の1は廃棄されている)
◇分子から流通以前に生産者が廃棄した農産物が含まれていない
(※形が悪いなどの理由で流通に載らないだけで、実際には食べられている)
◇全国200万戸以上の自給的な農家などが生産する大量のコメや野菜も含まれていない
◇牛肉や鶏肉、鶏卵、牛乳などは、国産のエサを食べて育ったものだけが国産とされ、海外から輸入したエサを食べていたものは国産としてカウントされていない
といった考え方で「食料自給率」が算出されているのだと言う。
したがって、浅川氏によれば、こういった点を考慮して算出すれば、食料自給率は、7割を超えるそうだ。
では、「なぜ、国は、食料自給率を低くして、国民にその数字を公表する」のか?
目的は、ただひとつ、「食料の国産をより振興しなければ、日本は将来的に食糧危機に陥りますよ。だから国が安定的に食料を供給するために管理する必要があるんですよ」という国民意識への擦り込みだ。
つまり、こうした数字を作ることで、
◇農林水産に関する国家予算の獲得
◇農業関連の公益法人等の業務拡大(天下り先確保)
などが実現できるわけで、省益を優先したものごとの考え方なのだろう。
私たちは、「思考を停止、あるいは、あまり深く考えない」と、知らず知らずのうちに「政府発表⇒記者クラブ所属の大マスコミの報道」という経路で、「へぇ~、そうなんだ」と短絡的に報道される情報、特に数字を見て妙に納得してしまう。
しかし、「この数字の算出根拠はどうなっているのだろう?」「発表側が、こういった指標を設けて主張したい真の目的は何なんだろう?」と思考を巡らせることが必要なのだ。
確かに、冷静に「日本の食糧危機」を『リスクマネジメント』として考えるのでああれば、「食料自給率」は、あくまでも目安であって、
◇国際紛争など外交問題
◇天候による農作物の不作問題
◇自然災害
◇家畜の伝染病や植物の病害
といった要素を管理し、監視・分析して、コントロールすることの方がよっぽど重要である。
それにしても、私たちは、まだまだ、こうして「気づかないうちに擦り込まれた認識」に捉われたものの見方・考え方をしている事例がたくさんあるのだろうな、と思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ216号より)
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