【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html



若干、旧聞に属する話であるが、NHK2011年に放送したドキュメンタリー企画「無縁社会」の取材と番組作りに出演者(取材対象者)から批判が相次いでいるという。

「相次ぐ批判」の多くは、「意図的に無縁を演出された」という過剰演出に対する不満のようである。

例えば、211日に放送された「無縁社会~新たなつながりを求めて~」では、「ネット縁」(ネットを通じた出会い)が取り上げられたが、取り上げられ方が「無縁だからネットに逃げ込んでいる」というような演出になっていたので、出演者は、不満を持っているようだ。

ドキュメンタリーで取り上げられたこの女性は、実際には、家族も友人もいて「無縁」ではない。

しかし、NHKは、「人と触れ合う機会がない無縁な人」として紹介し、「ネットを通じた出会い」は、リアルな世界で人と触れ合うことができないから、仕方なくネットの世界に逃げ込んでいる、という後ろ向きな「出会い」として演出されたようなのだ。

しかも、実年齢は公表しない、と約束していたのに、年齢を公表されたのだと言う。

NHKは、これらの批判について、広報部を通じて、「番組、特集の内容に問題はないと考えています。無縁社会の中でのネットを通じたつながりをテーマにしていることについては、事前に十分説明していると認識しています」と、シレっとしている。

要は、反省し、今後のドキュメンタリー番組制作について、改善すべき点はないという姿勢だ。

個人的には、この反応はNHKのおごりではないかと思う。

「取材されインタビューで会見した」あるいは「街頭で意見を求められ回答した」内容が、「本人の伝えたい意図と違う」ということは、現実的によくあることだ。

現に、わたしも、街頭インタビューで答えたことが、翌日、新聞となって記事を目にすると、伝えたかった趣旨と真逆に近い内容になっていることがある。

ただ、新聞やテレビのニュース用の取材であれば、即時性もあるから、いちいち、取材対象者に「このように編集して流しますよ」と確認はとらないだろう。

しかし、今回の話は「ドキュメンタリー番組」である。

時間的には、即時性のあるニュース番組とは違い、時間的な余裕はある。

また、取材時間も出演時間も長いのだから、取材時に合意したこと(例:年齢の公表)、や、取材後に編集した番組内容(編集した内容の概要や意図、目的)について、取材対象者に確認を取るべきだと思う。

フィクションの映画やドラマ作品なら、脚本家や演出家が感じ、考え、視聴者に伝えたい意図で解釈して作品を作ることは良い。

しかし、ノンフィクションのドキュメンタリーの場合は、「実存する人をモデルとして題材にしたフィクション作品ではない」のだから、制作側のイメージにそぐわない事実が取材を通してわかったら、「取材する前のイメージとは違ったもの」として制作するか、「没企画」として扱うべきだろう。

取材対象者の現実と違う内容で放映するのであれば、それは、もはや「ドキュメンタリー番組」ではない。

そう言えば、「無縁社会」について、山口県徳山市出身の人事コンサルタントである城繁幸氏が、「週刊SPA!」(318日号)誌上で、「多くの若者は、煩わしさのない無縁な社会を求め続け、そして今それを手に入れたのだから、そんなに嫌がらなくてもいいじゃないか」と発言していた。

もちろん、日本人全員がそうではないが、城氏の意見はその通りだと思う。

私は両親が長野県出身なので、親戚の多くは長野県に在住しているが、田舎では、日中は、自宅に鍵を掛けないし、近所のおばさんが上がり込んできてお茶を飲んでいたりする光景をよく見る。

私が、学生時代に「田舎はいいなぁ、住みたいなぁ」というと、親類からは「近所や地域との関係が強くて、なんでも知られているのもどうかともうよ」と言われた。

確かに、マンションで暮らしていて思うのは、「隣の人がわからない方がむしろ気兼ねなく生活できる」ことを実感する。

つながりは、マンションの管理人さんを通じて維持していれば、日常的には全く困らない。

つまり、「無縁」自体は、全員がそうではないが、多くの人が求めてきた結果なのだ。

問題は、家族がいなかったり、日常的な近所づきあいが無いから、「不測の事態に誰も気づかない」という問題である。

「無縁社会」を社会問題として、捉えるのであれば、この点だけだろう。

私の友人、知人には「ネットを介して出会って結婚した人」も意外とたくさんいる。

しかし、結婚披露宴の紹介では、たいてい「おふたりの出会いは、共通の友人の紹介で・・・」と説明されている。

まだまだ、世間は「ネット縁」に対して、いい印象を持っていないからだろう。

私に言わせれば、「インターネットを通じた出会い」も「結婚相談所を通じた出会い」も、恋愛結婚以外の多くは、地域の結びつきが強かった時代に「世話焼きおばさん」がいて、年頃の男女くっつけていたシステムが、そういったものに変わって出会いが多様化したに過ぎず、「無縁だから仕方がなく」(もちろん、そう言う人もいるが)という後ろ向きな存在ではない。

それにしても、NHKばかりではないが、ニュースやドキュメンタリーの番組制作者が「自分が意図する方向に事実を的確に捉えずにもっていく」のは、相変わらずなのだな、と思う。

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html