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企業の「マネジメントシステム監査」にお伺いすると、多くの経営者は、私たち「監査員」に向かってよく「お手柔らかにお願いします」と言われる。
「経営者が監査員に対する挨拶のマニュアルでも存在するのかな」と思ってしまうぐらい、ほぼ言われる。
経験上、「お手柔らかにお願いします」の言葉の裏には、主に3つのケースがあって、
◇単に、監査員との挨拶する会話する際の枕詞(まくらことば)
◇細かいことや余計なことをグダグダいわないで、さっさと審査をして帰ってくれ
◇本質的な審査をして、経営陣や管理層が気づかなかった点を指摘して欲しい
というパターンだ。
したがって、経営者が、監査員に対して、どんな想いで、「お手柔らかにお願いします」を言っているのか、きちんと見極めないと「顧客満足の高い監査」はできない。
もちろん、「硬い話」をすれば、第三者認証制度の場合の「監査結果」は、その企業と取引をしたい、あるいはしている企業が利用するためのものであることが本質なので、「認証機関として信頼性の高い監査」をすることが基本ではある。
だから「お手柔らかにお願いします」の言葉は無視して「淡々と審査すればいい」という考えもある。
ただ、第三者認証制度は、国家機関が実施する監査ではなく民間の認証機関がビジネスとして競い合って展開されている制度なので、認証機関の立場で言えば「認証費用のお金を払ってくれる監査を受ける企業」が事実上、一番大切なお客様(顧客)である。
したがって、「監査対象の企業」に対して、最大の便益を生み、提供するサービスを実施する必要があるのも実情である。
話を冒頭の話題に元に戻すと、「挨拶時の枕詞」として「お手柔らかにお願いします」に対しては、監査側は笑顔を浮かべながら「そうですね、了解しました!」と合わせておけばいい。
ここで、「いえいえ、監査は厳正なものなので、淡々と審査するだけです」とか「監査員は、規格適合性について公正、中立な立場で審査します」など、「ド真面目」な会話をしてはいけない。
経営者からは、単に「コイツ、融通が利かなさそうだぞ」と思われるのがオチである。
ポイントは、「ゴチャゴチャいわんとさっさと審査して帰って欲しい」あるいは「本質的な指摘、できれば、アドバイスに近いコメントをたくさんしてくれる審査をして欲しい」の見極めである。
このあたりは、監査の場数を踏んで、力量を身に付けるしかないが、
◇経営者の置かれている立場(例:オーナーなのか、雇われ経営者なのかなど)
◇経営者が考えるマネジメントシステムの意義や目的
◇経営者が考えるマネジメントシステムの自社における効果や課題
について、何気ない会話を通じて質問して、その答え方や考え方から「ホンネ」を推測するしかない。
経営者が「本質的な指摘をバシバシして欲しい」の場合は、「全力投球」で監査をするだけなので問題はない。
しかし、注意しなければならないのは、経営者が「ゴチャゴチャいわんとさっさと審査して帰って欲しい」のケースである。
このケースは、例えれば、「美味しい寿司を食べたことがなく、寿司はマズいものだ」と思いこんでいる可能性がある。
つまり、このケースの場合の経営者は、「マズくて、本当は食べたくないが、食べないと他に食べるものがないから仕方がなく食べる」「食べないとつきあってもらえないから仕方がなく食べる」の心境なのである。
だから、このケースの場合は「ごちゃごちゃ言わないで審査を終わらせる」のが監査員としては無難ではあるが、それでは「マネジメントシステム審査の価値」を下げるだけである。
したがって、「企業のお役に立ちたい」と思っている監査員は、このケースの場合は、チャレンジャー精神で、「寿司って本当は美味しい食べ物なんだ」と思ってもらえる監査をするべきだろう。
ただ、
◇いままでにこの企業を監査した監査員の履歴
(どんなやり方で審査をして、どんな指摘をしてきたのか)
◇この経営者に一番響くポイントはどこか
◇この経営者にはどのような伝え方が有効か
を会話の端々から掴んでおく必要がある。
経営者に、一番響くポイントと効果的な伝え方さえ間違わずに、成功すれば、結果として「さっさと審査して帰って欲しい」から「本質的な審査をして欲しい」に、経営者の監査に対する認識が変貌する。
経営者の認識がガラッと変わった時は、仕事のやりがいを感じる。
(もちろん、同時に、今後のプレッシャーも感じる)
このように経営者のマネジメントシステム監査に対する認識を変えていくことが、多くの企業を本質的に効率的でバランスよくリスク管理された組織体制構築のお手伝いを間接的に果たす監査員の役割と言えるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ209号より)
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