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ISOマネジメントシステム認証の世界では、近年、「登録企業が認証機関を移転する」ということがよく起きている。

つまり、「認証機関の変更」である。

登録機関にとって、自分の組織の「仕事の仕組みがきちんと確立して機能していること」を証明してくれる認証機関は、ある意味、「経営の仕組み」に関する顧問であり、アドバーザーのような存在である。


一般的に分かりやすい例でいえば、中小零細企業は、会社の税務会計について、顧問税理士さんと契約し、税務上の事務手続きや税理相談を受けるが、一度契約してしまえば、滅多に、顧問税理士を変更することはないのではないだろうか。


しかし、ISOマネジメントシステム認証の場合は、認証機関の移転(変更)がよく発生している。

おそらく、その理由は、

◇認証審査費用自体のコスト削減を図りたい

◇認証審査を通じて経営システムの見直しをより有効的にしたい

◇認証審査におけるマンネリ化を解消したい

などといったことが影響している。


ただ、認証機関を移転した会社にその理由のホンネをお聞きすると「認証費用のコスト削減」という理由が、実際は一番多い。

それは、

ISO認証は受注条件上、必要不可欠であるが、認証費用という経費縮減はしたい

という多くの企業の実情がある。

認証機関のホンネとしては「企業が、経費として捉えている審査費用について、審査を通じて経営改善に役立つ付加価値を提供できなかった」と考えるならば、少し残念ではある。


先日、認証機関を移転することになった企業に担当審査員として訪問した。

その企業の「認証機関の変更」理由をお聞きすると、

◆認証審査におけるマンネリ化を解消したい

というのが一番の要因。

つまり、この企業は、10数年間、同じ認証機関で審査を受け続けた結果、

◇審査員の質問に対して慣れてしまい、審査用の受け答えを従業員がしている

◇審査のためだけの資料づくりが徐々に増えてきた

◇経営改善に関する視点がマンネリ化してきた

というのだ。


そこで、認証機関を変更して、

◇従業員に対して教育的な観点を含めて意識を変えたい

◇「こうでなければならぬ」というマネジメントシステムに対する常識を変えたい

ということが狙いなのだと言う。


移転審査の場合、審査員として、

◇以前の認証機関による審査の考え方を否定しない

というのは定石だ。

ついつい「うちはこのように違います」とアピールしたくなってしまいがちだが、あまりそれをすると「自慢」に聞こえて、いやらしい。

また、それを強調すると、認証制度自体の信頼性に不安を企業が抱くようになるからだ。

したがって、「今までの審査を否定することなく、なるほど、そういう見方や考え方もあったのか!」という方向に導くのが、相互利益、創造性向上につながる。


実際に審査してみて感じたのは、「認証機関を変更する狙いは理解できるが、長年培った常識を変えるのは難しい」というのが実感であった。

というのも、インタビューした方の反応が、

◇なるほど・・・

(前向きな捉え方:理にかなっているし、なんとなく役に立ちそうだ)

◇えっ?!そう言う考え方ありなの?

(後ろ向きな捉え方:今まではなんだったんだ。新たな発想を理解するのに時間がかかりちょっと混乱)

という2パターンに分かれるからだ。


この反応は、審査を身体に例えれば、

「うさぎ跳びが足腰の鍛錬に役立つと信じていた人が、足腰を痛めるからほどほどにした方がいいと言われた」

「コレステロールは悪いものと信じていた人が、コレステロールには善玉があり、善玉は身体に必要なものであると言われた」

「スポーツをしているときに水を飲むとバテるから飲むなと言われてきた人が、水分を取らないと脱水症状になり身体によくないと言われた」

状態である。

この場合、「後ろ向き」の人を、いい意味で「どのように懐柔していくのか」が重要である。


人は、凝り固まっている常識を取り除くのには、時間がかかる。

また、それを説いていく人の人柄や伝え方も「なるほど・・・」と前向きな思考と実行に繋げる大きなポイントだ。

担当審査員の矜持として「顧客アンケートを意識して無難な、要は『安全運転した審査』はできるけど、認証機関を変更した企業の想いに応えるためには、軋轢(あつれき)が起こることを恐れて伝えるべきことを伝えないのはダメだ」とあらためて実感した次第である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ204号より)



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