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失敗の原因について、「あかつき」が逆噴射開始直後、メーンエンジンへの燃料の供給不足が発生していたとJAXA(宇宙航空研究開発機構)は発表した。
メディア情報を基に、逆噴射開始後の経緯を整理すると、
◇金星上空で減速のためにメーンエンジンで逆噴射を開始
◇逆噴射直後に燃料タンク内部で、リウムガスの圧力が急低下
◇圧力が急低下した結果、メーンエンジンへの燃料の供給不足が発生
◇逆噴射開始から2分32秒後に突然機体の姿勢が大きく変化
◇さらに6秒後、姿勢が42度ほどずれ、自動的に制御不能と判断し、逆噴射を中断
◇「あかつき」は復帰をあきらめ、危険を察知したときに作動する緊急時モードへ移行
という流れだったようだ。
JAXAのプロジェクトリーダー中村正人教授によると、6年後に再チャレンジすると言う。
太陽を回る周期が金星より「あかつき」が速いため、金星が10周、「あかつき」が11周した時点で再接近するのだ。
大きく懸念される事態は、
◇燃料不足
◇太陽電池のリチウムの寿命切れ
の2点だ。
ただ、専門家によると、燃料は2~3割程度しか使用していないようで、太陽電池も設計寿命上は、あと4年半程度らしいが、この程度の期限延長は何とかなるらしい。
したがって、6年後の軌道再投入を成功させるポイントは、JAXAの立川敬二理事長が記者会見で述べたように「軌道投入失敗の直接原因である逆噴射中断がなぜ起こったのか」の原因究明が最も重要であろう。
それにしても、日本の航空宇宙技術は、「制御系」が弱い。
奇跡的に「はやぶさ」はミッションを遂行できたが、これとて、「結果オーライ」で、小惑星イトカワ着陸後に、試料採取のために金属球を発射させ、巻きあがった粉じんを採取するという計画だったが、試料採取のために一番肝心「金属球」が発射されなかったのだ。
ゲームのボウリングに例えれば、ガーターと一緒で、「球がレーン上にないのにピンを倒してこい」、というのと同じ状態だったのだ。
金星は、地球と大きさがほぼ一緒で、誕生したのも同じころと言われている。
しかし、現在は、常時、100m以上の強風が吹き、地表面は500度以上で、二酸化炭素に覆われているという。
つまり、かつては、海が存在したが、温暖化により海の水は蒸発し、現在の姿になったと言われ、「未来の地球の姿が金星」とも言われている。
そのため、金星を探査することは、温暖化を解明する上でも重要である。
6年後は、同じ過ちをして欲しくないが、原因が究明できなければ「奇跡」に賭けるしかない成功確率が低いミッションであることに変わりはないだろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
2010年12月10日は、ノーベル賞の授与式が行われ、ノーベル化学賞を受賞した根岸英一博士と鈴木章博士の授与風景をテレビで見た。
おふたりとも、場馴れしていて、堂々としており、カッコいい。
授与式といえば、今年の平和賞を受賞した中国の民主活動家、劉暁波氏は「服役中」のため本人はもちろん、親族も出席できなかった。
本人も親族も授与式に出席できなかったのは、1935年にナチス・ドイツを批判し収監されたジャーナリストのカール・オシエツキー氏以来の75年ぶりなのだという。
「平和賞」は他の物理学賞や化学賞などと違って、イデオロギーや政治的色が強いから、利害の対立が生じ「全世界の人にとって平和に貢献した人」とは言えないのは当然である。
しかし、現在も実質的な軟禁状態にある1991年に平和賞を受賞したミャンマーの非暴力民主化運動の指導者アウンサン・スーチー女史の時も「式典欠席」は起きていないわけで、まさに、「異例」だ。
しかも、「さらに異例」なのは、中国以外に中国の呼びかけもあり、ロシア、カザフスタン、コロンビア、チュニジア、サウジアラビア、パキスタン、セルビア、イラク、イラン、ベトナム、アフガニスタン、ベネズエラ、フィリピン、エジプト、スーダン、ウクライナ、キューバ、モロッコの計19カ国が欠席したことだ。
個人的には、ロシアとフィリピンの欠席は意外だ。
中国に配慮しなければならないほど、中国が影響力を持つ経済国となった証拠であろう。
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