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以前にも紹介したが、20101028日の朝日新聞の読者投稿欄「声」に「検察の変わらぬ体質に不安」という投稿記事が掲載されていた。
この記事を投稿したのは東京都中野区在住の35歳の会社員の方だ。

この方は投稿した記事で、
◇大阪地検特捜部の前特捜部長と元副部長が起訴され法務省から懲戒免職になった
◇起訴されたふたりは無罪を主張している
◇刑事裁判の大原則では、有罪判決が確定するまでは「推定無罪」である
◇無罪を主張するものを懲戒免職にする法務省・検察庁の姿勢は先行き不安である
と言った主張をされていた。

つまり、懲役刑が確定していないのに、懲戒免職とし、世間からは白い目で見られ、社会的に葬ることがあって、法治国家の、しかも司法機関の中枢である検察組織においてあっていいのか?ということだろう。


この検察庁のとった判断は、本来であれば、この事件を通じて、

『組織体質や体制など業務改革を通じて仕組みの見直しを実施するべき』

なのに

『「臭いものにふた」的発想で幕引きを図ろうとしている』

ように、私たちには映る。

このような発想は、「検察の信頼が失墜した責任追及」のみを言及するもので、私たち国民が期待する「原因追求による再発防止」につながる組織改革につながるか甚だ疑問である。


それにしても、「人権が尊重される近代国家」では、『疑わしきは罰せず』が根本原則であるはずだ。

つまり、『刑事訴訟 において、被告人 が有罪だということに「合理的な疑い」が残らないほどまでに、検察官が証明しなければ、裁判所は被告人を有罪にしてはならないという原則』(Yahoo!百科辞典より)が基本原理であるはずなのだ。

要は、「被疑者に対して合理的な疑いを証明するのは検察側」であり、「被疑者の容疑事実の存否が判然としない場合には被告人 に対して有利な事実認定 をする」ことが当たり前である。


しかし、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」(公害罪法)の、第5条で「工場又は事業場における事業活動に伴い、当該排出のみによつても公衆の生命又は身体に危険が生じうる程度に人の健康を害する物質を排出した者がある場合において、その排出によりそのような危険が生じうる地域内に同種の物質による公衆の生命又は身体の危険が生じているときは、その危険は、その者の排出した物質によつて生じたものと推定する」と規定されている。

つまり、「推定有罪」を認める規定である。

また、2007年に公開された周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」に代表されるように、痴漢などの性犯罪事件では、「疑わしきは罰する」又は「疑わしくなくても罰する」といった思考による判決 が相次いでいるという。



したがって、なんとなく、世の中では「疑いをもたれた人は、自ら疑いを晴らす証明をするべきだ」的発想の時代になってしまった。

たぶん、この発想の根底には、近年頓に言われる、「個人は自己の選択した全ての行為に対して、発生する責任を負う」といった「自己責任論」があるのではないかと思う。

もちろん、こういった世の中だから、自己防衛手段としては、例えば企業であれば「合理的な正当性を証明する手段」としてマネジメントシステムを確立しておくことはリスクマネジメントである。

ただ、だからといって「常に疑いをもたれたものは自ら無実を立証せよ」という発想であってはならないのだ。




話題は変わるが、2010122日放送のテレビ朝日系列の人気テレビドラマ「京都地検の女」(名取裕子さんが主演)では「痴漢免罪事件」をテーマにしていた。

この回のドラマでは、通勤ラッシュで混みあうバスの中で「痴漢された」と訴えた司法試験を目指す女子学生(前田亜季さん)と、女子学生に「犯人扱い」された老舗和菓子屋の若旦那が主人公で、担当検察官(名取裕子さん)が、「疑わしきは罰せず」を原則にして「合理的な疑いがあるかどうか」(要は裁判を通じて罪に問えるかどうか)を捜査していくのだ。

このドラマは、最終的には、検察官が女子学生に「疑われた人(老舗和菓子屋の若旦那)のその後の生活と信頼回復までの道のり」といった現実を見せることで終わるが、すべての検察官が、痴漢事件をこのように、弁護士並みに捜査してくれると被疑者となった場合は安心だ。


「やっていなくとも罪を認めて示談や罰金刑」となった方が拘留も短期間で手続き的にもラクで、実際問題そういう風潮はあるようであるが、名誉は失われる。

本題とはズレるが、このドラマの痴漢現場の設定は「なぜ、電車ではなく、バスだったのだろう」と思う。

ドラマを見る限り、そこまで満員になるバス路線のようにまるで見えない。

おそらく、電車よりバスの方が、ロケがしやすかったのかもしれない。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ205号より)



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