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20101130日付の朝日新聞電子版によると、米製品業界2位の越後製菓が業界1位の佐藤食品工業の「切り餅」に対して製造中止と148千万円の損害賠償を求めた訴訟について、東京地裁は、「佐藤食品の切り込みは越後製菓の特許の技術的範囲に属さず、同社の特許を侵害していない」として請求を棄却したという。


記事によると、

◇争点となっている特許は、切り餅に対する「切り込み」

◇「切り込み」は「餅が膨張して途中で噴き出すこと」が防止される発明

◇越後製菓の特許は「側面の切り込み」について認められている

◇佐藤食品工業の「切り込み」は側面だけでなく切り餅の「上面・底面」にもある

◇越後製菓は側面に切り込みを入れた餅について2002年に特許を出願し03年から販売

2008年に特許が認められている)

◇佐藤食品工業は側面と上下面の切り込みで焼き上がりや割れ方を工夫した餅を03年に特許出願している(2004年に特許が認められている)

のだという。



わたしは、「特許」に関しては門外漢であるが、この「切り餅に対する切り込み」のポイントは、「餅が膨張して途中で噴き出すことを防止する技術」である。

特許については「物に対する特許」と「物を作る製法に対する特許」がある。

「切り餅に対する切り込み」は、「物」に対してなのか「物を作る製法」に対してなのだろうか?


「切り餅の切り込み」という「物」に対してなら、販売段階では、「切り餅に切り込みが入った焼く前の餅」であり、「切り込み箇所が側面だろうが、上面・底面だろうが単なるデザイン」だ。

ポイントは「切り餅の販売後に購入者が切り餅を焼いた時の仕上がり」であるが、「餅好き」の私は「サトウの切り餅」も「越後製菓の切り餅」も食べたことがあるが、焼き方によってそれぞれ結果は違ってくる。


ちなみに、両社のウェブサイトだと、サトウは「オーブントースターで焼く」ことを調理方法として掲載しているが、越後製菓は「調理方法」は掲載していない。

私の経験では、「餅に焦げ目を付けて焼く」ことを目指すなら「サトウの切り餅」に軍配が上がる。

単に「焦げ目を考慮せずに単に切り餅を柔らかくする意味で焼く」のであれば、どちらの製品も、実際、仕上がり状況に大差はない。

(例:調理方法はレンジでチンの場合)


つまり、越後製菓の切り餅は「餅を焼く段階で膨張して噴き出すことを防止する技術」であり、サトウの切り餅は、その効果に加えて「餅の焼き色まで考慮した製法技術」ではなかと思うのだ。



東京地裁は「越後製菓の特許は“側面への切り込み”であり、“上面・底面への切り込み”は技術的範囲に属さない」と記事から判断すると、「特許の文言」「切り込み位置」にこだわった気がする。

「技術的な侵害はなし」と判決結果は一緒になるが、そもそも「越後製菓とサトウ」は、購入者が調理した後の「できあがり製品」のイメージが違う「違う技術」として「特許侵害はない」と判断するのが妥当ではないだろうか。




個人的には、「切り餅に切り込みを入れる」という発想を「越後製菓が先に始めた」のか「サトウが先に始めたのか」について興味がある。

「切り餅の切り込み」に関してメディアの情報を基に経緯を振り返ると、

1)2002年に越後製菓が特許を申請

2)2003年に佐藤食品工業が特許を申請

3)2003年から越後製菓は「切り込み」が入った切り餅を販売開始

4)2004年に佐藤食品工業は特許を取得

5)2008年に越後製菓が特許を取得

となっている。


サトウ側は「2003年の越後製菓が販売する前から切り込み入りの餅を販売している」と裁判では主張したらしいが、このことについては、東京地裁の判決では触れていない。

私の想像では、「越後製菓の切り込み入り切り餅」の発想にヒントを得て「サトウの切り込み入り切り餅」が誕生した気がする。



しかし、最終的には「焼き上がりの違った製品を生み出す別々の技術」として「特許庁」は判断し、それぞれの申請に特許が下りているのだから、越後製菓の特許は、「膨張した餅の吹き出し防止技術」、サトウの特許は、「きれいに、こんがりした焼き色を作る技術」として「双方に特許侵害は生じていない」と判断するのが妥当ではないだろうか。


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