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ある講習会で「組織の考え方に欠けていると思われることを挙げてください」という次のような問題を出した。
(問題、ここから)
ある会社で、社長が、
「今年から、各部は、目標を立てて管理しなさい」
と指示を出しました。
営業部は「既存顧客の売上増加」
総務部は「支払い遅れをなくす」
開発部は「顧客ターゲット拡大のための新商品の開発件数増加」
製造部は「作業ミスを減少させる」
という目標を立て、半年が経過した。
この各部の行動に考慮が足りないと思われる事項を
ISO思考で考えてみましょう
(問題、ここまで)
受講者ひとりひとりに質問していくと、最初は、「うーん」とうなっていたが、ちょっとヒントを出すと、たちまち、
◇目標に対する達成度が立てられていない
◇目標を達成するための具体的な行動計画がない
◇計画した目標や行動計画の進捗をチェックし、見直す仕組みが無い
◇各部の目標が独自に計画されていて、経営者の方針と整合していない
◇経営資源を考慮した組織の目標に対する優先順位が示されていない
などの意見が続々と出た。
そうなんです!!
ふつうに社会人をしている人なら、冷静に考えれば、上記のような問題にすぐに気がつくはずなんです。
しかし、国が実施している「事業仕分け」を見ていると、総論として「事業仕分けと言う戦術は及第点だけど、そもそも戦略が明確ではないではないか」と気づくことができる。
上記の問題でいえば、現状の事業仕分けは、「各部の目標が独自に計画されていて、経営者の方針と整合していない」「目標に対する優先順位が示されていない」と同じである。
第3弾の事業仕分けは、蓮舫行政刷新担当大臣をはじめ、枝野幸男民主党幹事長代理や長妻昭元厚生労働大臣が取り仕切っているが、ひとつひとつの事業に対して、明確な説明責任を求め、明らかにムダを生んでいる事業をバッサバッサと廃止や縮小を迫る議論は相変わらず切れ味が鋭い。
(注:2010年10月29日で事業仕分け第3弾は終了した)
しかし、これらは、すべて「仕分け作業と仕分け人の戦術面が長けている」に過ぎない。
つまり、第1弾、第2弾で国民が期待したほどの金額的な成果が出なかったのは、「国が取るべき戦略面」が明確ではなかったからに違いない。
要は、限られた予算でやり繰りするしかないのだから、官僚が無理矢理仕事を作ってきた2重行政や時代遅れの事業などムダを省くのと同時に、「ムダとは言い切れないけど、現状から鑑みた喫緊の優先順位としては、非常に重要度が低いので、予算を凍結、あるいは、廃止することとし、こういった事業に回します」というトータル的な国家戦略が明確でないのだ。
鳩山内閣の時に、国家戦略室ができ、初代担当大臣に現在の菅首相が就任した。
菅氏が、大局的国家史観を持ち得ていた人ならば、この時点で明確な、国家のあるべき姿、目指すべき姿といった「国家戦略」が示されたはずだ。
しかし、この時、私たち国民に「国家戦略」はまるで見えてこなかった。
おそらく、特別会計に切り込んだ第3弾の事業仕分けの成果は国民の期待より相当低い結果に終わるだろう。
あの時点で、私たちは、菅氏やその取り巻きの実力に気が付き、鳩山首相辞任後の首相はふさわしい人を選ぶべきだったと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ200号より)
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