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(中編のからのつづき)
注:以下の座談会の発言は「K=導入企業」「A=コンサルティング機関」「N=認証機関」の発言となっている。

 A「ひとつ成熟した目安になるとすれば、一般消費者が、しっかりしたマネジメントシステムを持っている会社だから、その会社が作る商品を買うということになれば、ISOが一般消費者レベルにまで浸透したといえる。普段、私たちはO×社が作った製品を好んで買う、といった消費行動を取る。その会社の仕組みを信頼している証拠だ」

 N「逆説的に言えば、審査機関は受審企業の顧客に成り代わって審査している。顧客をはじめとするステークホルダーがさらに関心を持ってもらえるようになれば、認証制度はもっとよくなる。審査員は規格や専門性に通じていることだけでなく、目の前の会社に気づきを与えられることが大切。そのためのコミュニケーション能力やステークホルダー視点も欠かせない。指摘の賞味期限がその場限りにならないよう、受審組織における審査後の有益な運用を見据えたものでなくてはならない」

 A「審査制度の問題もある。食品業界で不祥事があったから審査基準が厳格化された部分がある。世間的には認証を取得している企業なのに、なぜ不祥事が起きるのかと、規格に疑いがかかる。これに対応するために、専門性と客観性を高める方向となった。結果、企業の経営改善が促進されるような〝受審企業の気づきを促す〟良い審査員が『形式的に厳格になった専門性担保』の理由から認定基準外の審査員となってしまった。もうひとつは、審査機関がその監督組織である認定機関の審査に通りやすい報告書を作成するようになったこと。改善の機会を含め、指摘しない審査員は、受審組織のためにならない。審査機関の強い特色が出れば、受審組織の選択肢になる。選びたい審査機関が選べていないのが問題だ」

 K「審査員との関係がうまくいきすぎても慣れが出てしまう」

 A「審査機関には例えば〝同一企業には連続3回まで〟というようなルールがある。この狙いは『異なった審査員による違った視点で組織を評価できるので、企業にとって新たな気づき』を生むことにもなる。同じ審査員で審査の切り口が同じになることを良しとすれば受ける側は楽だが、受けるメリットが少なくなる。個人的には、大手企業に3年連続で行くのは辛い。なぜなら〝今回の審査では有効な気づきを与えられなかったなぁ〟と十分なメリットを提供できなかったことを自覚する機会がしばしばあるからだ」

 K「毎回違う審査だと、緊張感が保てる。受審側として楽しい緊張感だった」

 A「審査員の指摘は改善のきっかけだから、恐れることはない」

 N「審査は間違い探しだと誤解されている。そうではなく、合っているところを探している。間違い探しが主体になると受審側は間違いを隠そうとするし、指摘もお粗末なものになりがち。お互いがオープンになれれば、得るものは多いはず」

 A「指摘が多い企業のほうが、実は改善能力が高い。指摘が少ないのは、本当に指摘すべき個所が少なく優秀なのか、もしくは審査員の質問に対して受審側の説明能力が足りなくて良否を判定できないのか、そのどちらか。胸襟を開けば、たくさんの気づきを与えられる」

 K「それが進めば、受審組織は審査員の言葉の行間にある意味を、深く理解しようとし始める。つまり、継続的改善ができるかどうか。もうひとつは経済的なこと。もう少し安くなれば小さな会社もISOのメリットを受けやすくなる。審査側にはフルコースでなく、アラカルトの用意をしてもらいたい。その上で、受審企業と審査のマッチングをしてもらえれば」

 A「私が今、興味をもって取り組んでいるのは受審企業に、導入したらどうなりたいのかという目的意識を明確にしてもらうこと。つまり、経営者が結果さえ出ればいいと言うのであれば、あえてISOを入れなくても良いと提案している」

 N「やらされるISOではなく、能動的な組織強化の一環として取り組んでもらいたい。最終的には審査機関ではなく、お客様をはじめとするステークホルダーがその企業をチェックしている。誰のために、そして誰に見られても良いように、認証取得した自覚をしっかり持つようにしなければ。経営者には目的を明確にもってもらい、システムの意図を活用して会社を引っ張っていってほしい。こういう時代だからこそ、企業力の底上げが必要なのだから」
(このシリーズ終わり)
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ172号より)


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