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「爪切り事件」の北九州八幡東病院の元看護課長、上田里美看護師の無罪が10月1日午前0時に確定したと言う。

この事件は、ご存知の方も多いと思うが、
◇上田看護師が2007年に入院していた認知症の女性患者の爪をケアした
◇認知症患者の爪は半分以上剥離されていた
◇同僚看護師の通報により病院側は虐待があったと発表
◇病院が設置する第三者委員会は、高齢者虐待防止法に基づく虐待があったと評価
(※第三者委員会(尊厳擁護専門委員会)は、看護師一人の判断でつめを切る行為は患者の尊厳を守る観点から問題があると判断)
◇北九州市の日高義隆保健福祉局長(当時)も虐待と認定
◇病院が虐待を公表してから1週間後に福岡県警が傷害罪で上田看護師を逮捕
(※上田看護師が「女性患者に対して10日間のケガを負わせた」との容疑)
◇1審の福岡地裁小倉支部は、動機に問題があり看護行為とは言えないとして、有罪と判断
(※動機は「爪切り自体に楽しみを覚えていた」とした)
◇2010年9月16日の福岡高裁では、逆転無罪判決が出る
(※裁判長は「正当な看護行為であり、傷害罪は成立しない。捜査段階の自白は、捜査官による誘導の疑いが残る」と評価)
という事件である。

「爪切り事件」は、福岡高裁が「適切な上告理由を見出すことは困難」との理由で、幕引きとなるが、この事件を契機に以下のような検証すべき点があると思う。
例えば、
◆通報した同僚看護師と虐待として公表した病院の対応
◆福岡県警の逮捕までの捜査プロセス
◆高裁が「県警や検察による誘導の疑いがあった」とした供述調書
◆高裁の「出血などを生じても、看護行為ならば傷害罪は成立しない」という判例
などである。

【病院側の対応】
同僚看護師の通報を受けた北九州病院の森田順之副理事長は、「意思疎通が困難な患者に対し、家族や医師、同僚にも知らせずに出血を伴う行為をすることは医療倫理に反すると考えている。ご家族には改めておわびしたい」と記者会見で語っている。
つまり、北九州病院には、「意思疎通が困難な患者さん(例:認知症高齢者)に対して、看護師は、自らの判断のみで看護行為をしてはならない」というルールがあったと想像できる。
このルールの妥当性、このルールを逸脱した場合の対応手順については、検証が必要であろう。

【福岡県警の逮捕までの捜査プロセスと県警・検察による供述調書】
上田看護師は、病院発表から約1週間で逮捕されている。
また、上田看護師は、後に「いくらケアといっても刑事は理解してくれず、爪を剥いだとしか言えないなどと言われ、供述調書の表現を受け入れた」と語っている。
私を含め、一般人が逮捕され、警察や検察の取り調べを受ければ「やった行為は一緒なのだから、“爪のケア”ではなく“爪を剥いだ”と供述調書に記述しますよ」といわれれば、OKしてしまうかもしれない。
警察や検察は「裁判所に対してどのような表現の調書を証拠として提出すれば主張が通りやすいのか」熟知しているだけに、「描いたストーリー」をごり押しし、誘導してくることはあり得るだろう。
短期間で逮捕に至った捜査プロセスを含め、取り調べシステム(例:可視化や弁護士の立会の検討)の検証が必要だろう。

【高裁の判例】
「出血などを生じても、看護行為ならば傷害罪は成立しない」との判例は、今後この手の事件の争点が『看護行為か否か』に絞られることになるといえるのだろう。
後は、「病院=サービス産業」として捉えた場合、「患者さんが不安を感じない看護行為とは何か?」についてのガイドラインや看護手順、逸脱行為があった場合の手順を病院がどのように定めておくかが検証すべきポイントとなるであろう。

今後検証すべき点を、上記のように挙げてみたが、検証は適切に実施され、今後に活かされるのだろうか。
また、上田看護師の復職や損害賠償請求はどこまで叶うのだろうかと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ196号より)


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