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ANA系列会社で、相次いで「コンプライアンス違反」が見つかった。
ひとつめは、
『車輪整備で必要な作業を省いていたANA長崎エンジニアリング』
である。

この件の概要は、
◇平成15年10月から7年間にわたり、航空機39機で必要な作業を省く
◇省略した作業は、前車輪のベアリング交換の作業工程
◇メーカーのマニュアルでは「固定するために圧力を掛ける」作業
◇ベアリングの状態は点検しているので、実際に緩みの発生は幸いなかった
◇整備会社は、安全性に問題がないとして、加工作業が必要ないと思い込んでいた
◇整備会社は、この事実を7月28日に把握したが、航空局への報告は8月10日だった
という内容。

この問題については、
【必要な作業が省かれていたことに対する処置】
◇対象航空機39機の再点検
【必要な作業が省かれた原因】
◇安全性に影響がなければ、メーカーのマニュアル通りに作業を実施しなくてもいいと思い込んでいたため
【再発防止策】
◇整備士など担当者に対する「メーカーマニュアル順守」の重要性の教育
◇「メーカーマニュアル通りの作業がされていること」の定期的な監視体制の構築
などと考えるのが定石だろう。

ただ、上記のANA長崎エンジニアリングの場合は「単なる作業員の思い込み」であると想像されるが、「考え方」として、「整備上、メーカーが定めた作業マニュアルに安全性や作業工程上の妥当性に問題がある」ということが判明すれば、決して「メーカーのマニュアル通りの作業をすること」は正しくない。
「メーカーのマニュアルの見直し」が正しい思考であり、行動でもある。
つまり、「“航空局、メーカー、整備会社”間の協議の場」も必要なのではないかと思う。


ふたつめは、
『製造日から6年毎に垂直尾翼のさびの目視点検を怠ったエアーニッポンネットワーク』
である。

この件の概要は、
◇エアーニッポン社は、2001年~2002年に製造された「ボンバルディアDHC-8-314型機」を、5機を所有
◇国土交通省の指示で「製造日から6年毎」点検を実施するはずが、整備管理システムに「2006年から6年毎」と誤入力していた
◇そのため、最長で3年6ヶ月、点検期限を超過していた
◇国交省は8月20日に、エアーニッポン社に対して厳重注意を行った
という内容。

この問題については、
【必要な垂直尾翼の点検が省かれていたことに対する処置】
◇対象航空機5機の再点検
【必要な点検が省かれた原因】
◇担当者が、整備管理システムに、点検周期を誤入力したため
【再発防止策】
◇整備管理システム入力時のダブルチェック
◇整備管理システムに入力ミスしても、必要な点検の実施漏れが監視できる仕組みの構築
などと考えるのが定石だろう。

それにしても、「整備管理システムへの入力ミス」だけで、「必要な検査が実施されずに見過ごされる仕組み」と言うのも、ちょっと恐ろしい。

上記で挙げた2件のケースは、「思い込み」「入力ミス」という些細なものだし、現実的にも実害は生じていなかったため、不幸中の幸いである。
ただ、「考え方」や「管理の仕組み」と言う面で捉えると、「なぜ、そうなってしまったのか」「そのような場合、どうするべきか」を自分たちの身近な例に置き換えて考えてみるべき重要な事例と言えるだろう。


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