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マスメディアの報道によると、ダイヤモンド社が発行している「もしドラ」の愛称で有名な小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」(岩崎夏海著)が100万部を突破したという。

「もしドラ」をご存じない人向けに、簡単に説明すると、
◇高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を間違って購入
◇「マネジメント」は高校野球のチーム作りに活かせると気づき、甲子園を目指す
◇作者の岩崎氏は東京芸術大学を卒業した元放送作家で、現在は芸能マネージャー
◇岩崎氏は、作詞家の秋元康氏に師事していた
◇小説のモチーフは、プロデュースで関わったAKB48の峯岸みなみさん
◇「もしドラ」は現在映像化が検討されている
というものである。

それにしても、初版が1万部で、現在、第17版。
私はメディアが話題にし始めた頃で、第4版を購入して読んだが、まさか、100万部を超すベストセラーになるとは思っていなかった。
マスメディアの報道で意外だったのは、「もしドラ」が、発行元のダイヤモンド社史上、「初のミリオンセラー」だということ。
従来までの最高部数は2001年に発行された「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラッド著)の65万部だという。
もちろん、この本も当時購入して読んだが、ビジネス書の老舗であるダイヤモンド社であっても「ミリオンセラー」を出すことは本当に難しいのだ。

ちなみに、「もしドラ」の世間の評判は、アマゾンの書評を参考分析すると概ね良い。
「良い評判」の多くは、
◇『小説としては2流だし、ビジネス書としても稚拙であるが、非常に分かりやすい』
◇『一般には難解なドラッカーの経営論を分かりやすくする工夫がされている』
◇『分かりやすいのでマネジメントに対する興味が湧いた』
というようなもの。
要は「抜群の分かりやすさ」が大ヒットにつながった一要因である。

「悪い評判」を調べてみると、
◇文章が稚拙すぎて内容に入り込めない
◇ドラッカーを学びたいなら腰を据えて勉強するべき
◇実務では役に立たない
◇荒唐無稽で経営に役立てられない
◇この本の売り方があざとい
などだ。

個人的感想は「良い評判も、悪い評判も、それぞれ一理ある。しかし、作者の意図はちょっと違うよなぁ」である。
岩崎氏もいろいろなメディアに語っているが、「もしドラ」の狙いは「ドラッカー経営学全般の理解のための入門書」ではなく「ドラッカー理論の応用書」なのだ。
間違ってはいけないのは、ここでいう「応用書」とは、「岩崎氏なりにドラッカー理論を応用した活用事例の小説」と言うことである。

したがって、料理レシピのように「この小説で書かれたことをそのまんま活用しても効果はない」のだ。
あくまでも「応用事例」である。
つまり、「もしドラを読んでも実務には役立たない」とか「荒唐無稽過ぎて経営には使えない」という書評は「その通りだけど、読みが浅いなぁ」と思う。
ドラッカーに限らず、「確立された理論」を実務に役立てるプロセスとは、
1)一般法則の本質を正しく理解する
2)一般法則を自分の状況に対する一般論に置き換える
3)自分に対する一般論を自分が役立てたい具体論に置き換える
という作業をして初めて「実務」として使えるのだ。

したがって、「もしドラ」は、ドラッカー理論の一部を岩崎氏流に具体論(応用)として置き換えた「一事例」に過ぎない。
意外と「一般的に頭がいい、頭の回転が速い、といわれる人」の中にも「一般法則を自分なりに咀嚼し、自らが直面する課題と取り巻く環境に応じて「自分なりの具体論」にアレンジして実務に役立てられない人(=置換力のない人)が多い。
「誰しもがそのまま使える一般法則などない」ということを認識・理解していないのだろう。
「もしドラ」を「ドラッカーのマネジメントなどを読んで全般を理解した人」が「ドラッカー理論をこういう風に捉えることで、応用することも可能なんだぁ」という「事例」としての読み方ができた人が、実務に役立てられる人なのだろうと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ186号より)

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