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2010年5月21日付の「Business Media 誠」が
『約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている』
というタイトルの記事を掲載していた。

記事では、(内容を要約)
◇大手出版社Sの役員は、「ビジネス書の約9割はゴースト(ライター)が書いている」と言い切る
◇「ゴーストライター」の定義はあいまいで何をもって「ゴーストライターが書いている」と言うのか、その基準がない
◇約10時間のインタビューの取材をもとに、2ヶ月から半年程度で「口述」作業を行い1冊の本に仕上げる
◇本を書いたことのない人は、本の仕上がりイメージがないから、脈絡のない話になる。したがって、ゴーストライターが話を読みやすい構成にまとめあげることになる
◇出版社が、ゴーストライターを使い、ビジネス書を出し続ける理由は、端的に言えば金もうけのため
◇本を書いた経験のない人を著者にして書かせると、200ページにも及ぶその原稿がいつ仕上がるのか、分からない
◇仮にベンチャー企業経営者やコンサルタントなどの著者が締め切りを守っても彼らが書く文章は、「商業用日本語」とは程遠く「読者がお金を払って買う文章」ではない
といったことが多くのビジネス書の現状として報告されていた。

ちなみに、私自身は大手出版社から3年前の5月にビジネス書を出版した。
初版1万5千部発行で、発売当初は大型書店のビジネスコーナーに平積みされて、メディアにも若干取り上げられ話題になり、最終的には完売した。
この本の場合は、私が出版社に企画書を提出してそれが編集者の目にとまり、出版に至ったものだが、出版社曰く「めずらしく、ほぼ95%は手直ししなかったビジネス書」らしい。

とはいっても、実際の本の構成は、私が提出した構成案とはがらりと変わり、編集者が逆提案したものだし、「1章」部分は、私の書いた文章を基に、まさに編集者が「商業用日本語」として書き直したものになっていた。
(※個人的には、読みやすい文章になっていたので、嬉しかった。
世の中へ伝えたいことをわかりやすくしてもらえるのは、ありがたいこと、
という認識を私は持っているからだ)

私の経験から言えば、『約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている』の記事で書かれているが、「物書きを職業としていない人にとっては、商業用日本語で書くことは無理」といっても過言ではない。
つまり、ビジネス書の書き手は、私のようなコンサルタントや大学教授、企業経営者などのケースが多いが、彼らは「商業用日本語」には慣れていない。
私の本に関しては、編集者曰く「文章がある程度完成されていて、手直しがしづらい状態」だったそうで、つまり、私の解釈では「商業用日本語に全ページを書き換えることは困難」だったので、結果として「ほぼ95%著者が書いた文章」となっただけなのだ。

ちなみに、私の本と近い時期に発行されたこの出版社が出したビジネス書は、著者が途中でバンザイ(要は、原稿を書けなくて逃げ出した)したので、ほぼ100%、編集部が総出で文章を書いていたし、またあるビジネス書は、著者の原文はそのテーマに対する批判的な裏話ばかりで、それでは売り物にならないから、売り物になるようにそのテーマに詳しいライターを使って後半部分を書かせていた。

『約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている』では、
1)その著者のブログと本の文章を読み比べると、言葉の使い方や表現の仕方が全く違うことに気付くはず
2)著者の本が何冊もあるときは、本を比較すると、それぞれ違うライターが書いている可能性が高いので、文章が違うはず
3)本の「奥付」に「編集協力 ○○○○」とか「編集(執筆) ○○○○」などと書いてあれば、その人たちが、ゴーストライターである可能性が高い
と書かれていた。

私の経験では、その他にビジネス書の場合、「ペンネーム」「著者略歴が薄い」場合もゴーストライター中心の本である可能性が高い。
つまり、出版社が「この題材は面白い」と思って著者に書かせ始めても、実際はネタが乏しかったり、文章が書けない場合は、編集部が編集部自ら、あるいは、その道のライターによってその本を書き上げるので、「架空の人物が著者」となることもあるからだ。
私が「そのような場合は“編集部編”でいいじゃないですか?」と聞くと、担当編集者に「そうしたら殆どの本の著者が“編集部”になっちゃって売れませんよ」と言われた。

私は「ビジネス書」を出版した経験から「商業用日本語」に書き換えたり、「売り物になる文章の構成」にするための「編集者の作業」は必要不可欠だと思う。
専門出版社や専門雑誌社の編集者は「編集者と言いながら単なる校正屋」であるケースが多く、一緒に仕事をしていて「おいおい、著者にまる投げかい。もうちょっと読者ウケする文章に手直しするといった商売っ気はないのか?」と逆に感じてしまうことがある。

それにしても「ネタ提供のみ」「企画構想だけ」のものまで「著者」といえるかといえば疑問もある。
そう考えると、本の「奥付」に「編集協力 ○○○○」とか「編集(執筆) ○○○○」などと書かれているケースは良心的といえるかもしれない。
ただ、読み手の立場で言えば、ビジネス書は「誰が書いたのか」よりも「自分のためになるか」「面白く読めるか」が読者満足度に繋がるから、いわゆるゴーストライターが書きあげることになっても仕方がないのかな、と思うのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ178号より)

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