2010年5月19日に、「プロ野球12球団すべてから勝利を挙げた記録」と「12球団すべてからホームランを放った記録」が新たに達成された。

全球団から勝利を挙げたのは、埼玉西武ライオンズの石井一久投手。そして、全球団からホームランを打ったのは、北海道日本ハムファイターズの二岡智宏選手だ。



石井投手の記録は、プロ野球史上、9人目、二岡選手の記録は、プロ野球史上17人目である。

いずれの記録も、2005年に交流戦が始まるまでは、「達成するのが至難の記録」であった。

野球ファンなら、その理由は、すぐにわかると思うが、交流戦が始まる以前は、プロ野球は2リーグ制であり、レギュラーシーズンで全球団から勝利、あるいは、ホームランを打つには、最低でも、セントラルリーグ・パシフィックリーグ(セ・パ)それぞれ2球団以上に所属する必要があった。



ちなみに、全球団勝利の記録は、9人いるが、交流戦が始まる2005年以前に達成した選手は3人のみ(野村収投手、古賀正明投手、武田一浩投手)だ。

特に、古賀投手は、実働9年(通算38勝)での達成なので、すごい。

(野村投手は実働18年で121勝、武田投手は実働15年で89勝)

また、全球団ホームランの記録は、17人中、交流戦が始まる以前に達成した選手は、3人(江藤愼一選手、富田勝選手、加藤英司選手)だけである。



そんなわけで、交流戦がスタートしてからは、比較的「達成しやすくなった記録」ではある。

しかし、例えば、「あと1球団から記録を樹立すればいい」と言う状況の場合、現在の交流戦は年間で4試合だから、投手の場合は「ローテーション上、登板機会がない」ケースが生じるし、野手の場合は、レギュラーで出場していても、16打席(1試合4打席として)程度しかチャンスがないから、「中継ぎや抑え投手」あるいは「代打専門」だと、在籍球団が多くても意外と難しいのかもしれない。

現に、全球団からホームランは17人が達成しているが、いずれの選手も通算で100本以上のホームランを打っている。(一番少ないのは、101本の石井琢朗選手)



ちなみに、昨日、二岡選手が達成する前の時点では、「全球団ホームラン」のリーチがかかっていた選手は「二岡選手と小笠原選手」であった。

昨日は、ふたりが所属する「ファイターズVSジャイアンツ」戦だったので、「同じ試合でダブル達成」の可能性があった。(私は、札幌ドームで観戦していた)

小笠原選手には、今年は、ホームグラウンドの東京ドームあと2試合チャンスが残っている。

ぜひ、今年、達成して欲しいものだと思う。