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「組織が顧客やステークホルダーにとって安心感、信頼感を与える経営管理システムで運営されていること」を審査する国際的な制度(ISO認証制度)が1980年代後半からある。
この認証制度は、制度発足時は、国際的な商取引があるいわゆる大企業・中堅企業を中心に審査登録が行われていた。
大企業・中堅企業を中心に審査登録を受ける企業が増えたのは、商取引の条件に「ISO認証制度による審査登録を受けていること」が必須条件になっていたことも理由の一つであった。

その後、2000年前後から国内活動を中心とするいわゆる中小零細企業にも認証取得の波が広がった。
この理由は、
1)大企業・中堅企業が下請負企業や協力会社である中小零細企業に認証取得を要求するようになった
2)国や自治体など公共発注の条件や格付けポイントとして認証取得が要求されるようになった
3)ISO認証制度に対する世間の認知度が高まったことにより、組織の信頼の証(コンプライアンス的観点や企業イメージ向上)として取得する企業が増えた
4)経済環境の変化に伴い同業他社との競争が激しくなり経営基盤を根本から見直したい企業の経営ツールとして用いられるようになった
などの理由からである。

最近の傾向としては、上記4)「経営基盤の強化」、つまり「経営体制や態勢を改善し、より向上させて、リスクを低減し、業績を向上させるためのツール」として活用する企業が本当に多くなってきたと実感する。
要は、高度経済成長期、あるいはそれ以降のバブル景気で成長した企業の経営者の想いとして「当時に得られた組織の知名度や技術の“おつり”でここまでは会社が存続したが、今後は真剣に組織体質や経営の仕組みを見直さなければ生き残れない」という強い危機感を企業のコンサルティングなどを通じて肌で感じるのだ。

ただ、組織がこの認証制度における「審査」を活用して「経営基盤の改善」を実現する上で、障害となる「受審組織の問題点(注意すべき考え方)」がいくつかある。
それは、
A)企業人としてのそれまでの経験や実績などに基づくプライド
B)日本人が持つ「審査」と言うものに対する概念
C)「置換力」の欠如
http://blog.logcom.jp/?eid=690685
D)マネジメント用語の不十分な理解と無理矢理的言葉の変換
である。

A)、B)の例としては、「自身や企業の成功体験の否定」や「審査で指摘を受けてはいけない」という人間が持つ反射神経である。
詳細は省くが、やはり、「成功体験と正反対の概念」や「違った切り口や斜めから捉える概念」というものは、過去の成功体験や従来までの信念が強過ぎるとどうしても「そういう見方もあったのか!」という「反省や目からウロコ」的「気づき」→「業務システムの改善」に繋がらない。

また、C)「置換力の欠如」の例としては、審査は「客観的な視点」に基づくものなので、どうしても審査員の会話は一般論になる。
つまり「一般論」を「自社における一般論」→「自社における具体論」へと思考の論理展開ができない人(置換力のない人)にとっては、なかなか「審査を通じた気づき」→「業務システムの改善」に繋がらないのだ。

D)「マネジメント用語の理解不足」の例としては、「不適合」や「指摘」に対する概念だ。
「不適合」や「指摘」とは、多くの日本人の感覚から言えば「悪いもの」「自らの能力の無さを露見された結果」「苦情や業務ミス」などネガティブなものと捉えてしまいがちだ。
しかし、マネジメント用語としては「要求事項を満足しないもの」・・・つまり「苦情やミス」など発生者にその非があると思われるものだけでなく、いわゆる「改善の余地」(もっとこうすればよくなる)的前向きな「不適合や指摘」も含んだ概念なのだ。

例を挙げれば、「目標を確実に達成するために実力よりちょっと低めの目標を設定した」とする。
この場合、結果的に「目標を達成」すれば「適合」であり、不適合ではない。
また、「設定した目標は達成したが、目標達成のための活動は実施できなかった」とする。
一般的には「目標を達成したのだから不適合ではない」と考えるだろう。
これらの場合、マネジメントシステム的に考えれば、いずれも「不適合」である。
要は、いずれの場合も「改善の余地」があるからだ。
しかし、審査員としては、この場合「組織が悪い」という意味での「不適合指摘」をしているわけではない。
「前向きに見直す(改善する)部分がありますよ!」と示唆しているにすぎない。
ただ、このようなケースの場合、受審側が「不適合=悪いもの」とのみ捉えていると審査を通じて「なるほど・・・見直しを検討してみよう」とか「いいご指摘をいただいた」→「業務システムの改善」という発想にならない。

以上、簡単に「ISO認証制度」における「審査を通じた組織の経営基盤の改善」を実施する上での考え方の注意点を述べさせていただいた。
ISOの審査を経営改善のツールのひとつとして活用している、あるいは活用されようとしている方の参考になれば幸いである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ173号より)

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