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バンクー場五輪のフィギュアスケート男子は、日本期待の高橋大輔選手が日本男子史上初のメダル(銅メダル)獲得という偉業を成し遂げた。

一素人ファンとしては、月並ではあるが、
1)「4回転に挑んだことに後悔はしていない。次に向けてのいい経験になった」と「この結果では終われない」と今後の競技活動の継続を表明したこと
2)「4回転を跳ばないで勝っても後悔が残るだけ」と発言していること
3)「長野五輪から、男子チャンピオンは4回転を成功させてきた。やはり自分は跳びたいと思うし、跳ぶのは自分にとって大切なこと」
などと高橋選手が記者会見で心境を口にしていたことが非常に印象に残った。

とかく、私たちは「結果を求めた安全策」をビジネスシーンでは追い求めてしまう。
しかし、スポーツは「勝だけがすべてではない、その競技をスポーツとして、進化させるんだ!」という「先駆者」としての強い想いがないとチャレンジャー精神は生まれないし、その競技の文化的な発展もない。
また「チャレンジすることの素晴らしさ」や「失敗してもチャレンジするその勇気に感動する」ことを私たちに高橋選手は見せつけてくれた、と思う。

2月19日のニュース番組は高橋選手の「ノーカット版」のフリー演技が繰り返し放送されていたが、上記のような想いをもって高橋選手の演技を見ていたら、不覚にも2006年のトリノ五輪で荒川静香選手がフリーで逆転の金メダルをを獲得して以来の涙がこぼれてしまった。

それにしても「競技に対する考え方の違い」が今回の五輪では、明確に選手から表明されているのではないかと思う。
各メディアが伝えているように、前回王者で、引退から復活し、今回五輪では僅差の銀メダルを獲得したプルシェンコ選手が採点結果に対して不満を表明しているという。

プルシェンコ選手の不満のもとは、
「昔の採点基準なら勝っていた。今のフィギュア界が何を求めているのか、この結果で明白になった。もはや4回転ジャンプに価値はない」
という言葉に集約されている。

つまり、前々日のショートプログラム終了後の記者会見で
「スポーツは進化していくもの。スピードを競う競技なら、タイムを更新していくように、フィギュアスケートもかつては2回転で勝負していたが、それが3回転、4回転というように進化してきた。それがなければ、進歩が止まってしまう」
と発言しているように、プルシェンコ選手は「スポーツは新しい技術を開発し、日々進化していくもの」と考えているわけだ。

この考えは、高橋選手も同様で、前記したように「長野五輪から、男子チャンピオンは4回転を成功させてきた」という発言していることから「真のチャンピオンとは、その時点で最高の技術にチャレンジして成功した人のこと」と考えているのだろう。

金メダルを獲得したライサチェック選手は、もちろん、コーチや関係者の意向に従って演技している面もあるだろうから、彼自身の真の考え方や想いはわからないが、結果としては4回転にチャレンジせずに「トップクラスの選手なら誰でもできる技の完成度の高さ追及する」方向性で勝利を得た。

要は、
(1)スポーツとは進化していくもの。そして真のチャンピオンとは最高の技術にチャレンジしたものが得られるもの
と考えるか、
(2)成功確率の高いリスクの少ない技を積み重ねて点数を稼いだものがチャンピオンである
と考えるかの違いである。

この2つの考え方は「どちらが正しく・美しく・正統派」であるとは言えないが、個人的には(1)の考え方が好きだ。

ちなみに、スノーボードのハーフパイプでいえば、国母選手もプルシェンコ選手や高橋選手のような考え方で「スノーボードの器械体操化は懸念しつつも、王者ショーンホワイト選手に勝つための最高のパフォーマンスで、リスクを恐れずにチャレンジ」した。
だから試合後に「悔いはないです」と国母選手は語ったし、私たち視聴者も「最後の着地が決めやすい安全策を取ればメダルには届いたかもしれないのに・・・と思いつつ国母選手のチャレンジに拍手を贈る」ことができるのだ。

フィギュアスケートの話に戻すと、現在の採点方式は、ジャンプの場合、各ジャンプごとの「基礎点」と「GOE」(Grade of Execution)呼ばれるいわゆる「ボーナスポイント」で採点されている。
詳細は省くが、トリプルアクセルや4回転は「回転不足」など認定されないリスクや失敗するリスクが高い。
すると、選手サイドとしては高得点を稼ぐために、例えば「美しい数種類の3回転」を跳んだ方が基礎点は低くともボーナス点を加えれば高得点に繋がるという思考をしがちだ。

つまり、この採点基準が「リスクの高い高難度の技を回避する最近の傾向」に繋がっている。
女子でいえば、トリプルアクセルがないキム・ヨナ選手が「美しく完成度の高い3回転」で高得点を稼ぐ構図である。
プルシェンコ選手はこの「考え方がフィギュアの進歩を妨げている」と考えているのだろう。

女子の話でいえば、国際大会でトリプルアクセルを成功させた選手は過去に5人しかおらず(そのうち3人は日本選手(伊藤みどり選手、中野友加里選手、浅田真央選手))しかも、五輪に限れば、1992年のアルベールビルの伊藤みどり選手唯一である。
もちろん、フィギュアスケートはジャンプだけではなく、ステップやスピン、表現力など他の要素もあるが、ジャンプに限って言えば「技の進歩」に関しては「トリプルアクセルや4回転をするよりも美しい3回転をしよう」という感じで止まっている。

フィギュア界の発展のためには「プルシェンコ選手的思想」がいいのか「ライサチェック選手やキム・ヨナ選手的思考」がいいのか分からないが、少なくとも「高難度のジャンプをプログラムに入れる選手が増えてこない要因のひとつ」に現在の採点基準が影響していることは間違いないだろう。
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