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2009年8月25日に大阪高裁で「喫煙時間は労働時間に当たる」という判決があったという。

この裁判の背景を整理すると以下のようになる。

1)大手居酒屋チェーンに勤務していた44歳の元店長が2001年3月に急性心筋梗塞で倒れて約3週間入院した
2)しかし、元店長は労働災害認定されず、退職後の2007年に「発症前1ヶ月間の労働時間が100時間以上であり国の過労死認定基準を超えて働いていた」と主張し、国を相手に認定を求めて提訴した
3)1審判決では元店長が1日20~40本のタバコを吸っていたため、これらの時間を休憩時間としてみると、実際には時間外労働は78時間程度であり、過労死認定基準を下回ると判断した

大阪高裁の判決では、渡辺安一裁判長が、
「店舗内で喫煙していたとしても、何かあればすぐ対応できる状態だったから、労働から完全に解放されているとはいえない」
との原告側主張を容認したので、「時間外労働時間は100時間を超える」と判断し、急性心筋梗塞の発症を「労災」と認めたわけだ。

個人的には、この大阪高裁の判決は「妥当」だと思う。
ただ、この判決を妥当とするポイントは「喫煙しているときの状態」である。
要は、
『店長と言う管理職であったこと』
『何かあればすぐに対応できる状態であったこと』
という条件が揃っていなければ「喫煙中も労働」と判断するのはキツイのではないかと思う。

つまり、「喫煙しながら労働することが事実上不可能、あるいは著しく労働効率が低下するような仕事」・・・例えば、工場作業労働者、建設現場作業労働者などは「喫煙中も労働」と捉えるのは難しいと思う。

これらの業務従事者が、例えば「10時~10時10分までとお昼の休憩時間と15時~15時10分までの休憩時間」など決められた「休憩時間以外」で「喫煙タイム」と取っていたとする。
その場合、経営者サイドとしては、1審判決のように、(その時の状況にもよるが原則的には)「労働者は休憩していて労働時間ではない」と判断したい。

もし、「喫煙中も労働時間」とすべての仕事に対して適用するのであれば「喫煙者を採用するのはコスト増でありリスクである」と会社は認識するだろうし「暗黙の採用条件」となっていくだろう。

それにしても「喫煙時間=労働時間」と単純に捉えられると、業務管理上は非常に困る。
今回の判決結果である「喫煙中も労働時間」と判断した判例を拡大解釈して、自らの立場を有利に今後の裁判を闘ってくる輩が出てくるんじゃないかな、と思う。


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