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2009年6月24日付の毎日新聞が、
「<患者取り違え>08年は報告27件…防止ルール風化か」
という見出しの記事を報道していた。

記事によると、
・2008年には27件の患者取り違え事故があった
・2008年の取り違え事故は、2004年10月に報告制度ができてから最多
(2005年は10件、2006年は20件、2007年は21件)
・(財)日本医療機能評価機構の分析では「ルールが風化している恐れがある」と分析
・2006年10月以降の59件を分析すると薬剤ミスが26件と最多
(その他は、輸血ミス10件、検査ミス10件、手術の取り違え3件など)
・各病院の取り違えミス防止の対策ルールの例は「患者さんに名前を名乗ってもらう」「リストバンドを見る」など
・取り違え事故には「患者名を確認しても別の患者さんに行う処置を実施した」ミスや「治療台の整理整頓の不徹底」が要因のミスもあった
などが報じられていた

私は、記事に書かれた「日本医療機能評価機構」の分析を見て、
・事故件数が増えたのは「報告の徹底」により顕在化した事故が増えた
・ルールがあっても、注意ポイントを強烈に意識せずに流れ作業になっている
・ルールを作った意図や意味が真に理解できていない
といった可能性も考えられると感じた。

このような「事故報告」に限らず、クレームでも製品不良でも「報告制度があっても現場で処理してしまおう」という「隠ぺい体質」がどうしても制度開始後はある。
つまり「現場の業務レベルが上がっても、報告制度の徹底により見かけ上の件数は増える」という現象は起こり得るのだ。

よく社内体制を整備し始めると「不具合や苦情が増える」ことがあるが、それは「今まで眠っていた不具合やクレームが顕在化したため」であることがあるのだ。
だから、件数だけを取り上げて「事故は増えている」と捉えるのは早急かもしれない。

それから、注目すべきは「ミスの要因」である。
医療機能評価機構の分析では、
「ルールがあって、実施していてもミスをしている」
というケースが案外多いようなので、もしかしたら「無意識の逸脱(ヒューマンエラー)」がミスの原因であるといえるかもしれない。

「ヒューマンエラー」には「意識的な逸脱」と「無意識の逸脱」がある。
「無意識な逸脱」に対するヒューマンエラーについては、以下に挙げるような基本対策をケースによって選択し、徹底するしかない。

6つの基本対策とは、
1)エラーを起こしやすい作業はやらずに済ます
2)作業する人には精神が乱される状態に置かない
3)ポカ除けの工夫をする
4)トラブル防止を優先して、作業能率を犠牲にする
5)ダブルチェックを励行する
6)再三同じミスを繰り返す人は配置換えをする
である。
つまり「教育訓練を徹底強化する」という「意識的な逸脱」(ルールを知らない、ルールに納得していない)に有効な対策ではミスを減らすことはできないのである。

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