船舶や飛行機、新幹線の乗務員をクルーと言うそうだ。
私は出張が多い仕事なので、これらの乗り物で客室サービスを受ける機会は普通の人よりは多いと思う。
利用する乗り物が同じ会社でも、クルーによってはサービス提供に関して雰囲気と言うか、対応の違いを感じる。
各旅客機関では、クルーはシフトでその都度メンバーが変わるのであろうか。
クルーにはリーダーがいると思うが、その人の影響が大きいのかもしれない。
乗り物で受ける主なサービスは、飲み物サービスと新聞・ひざ掛け・胃薬などの提供、乗り継ぎ案内である。
クルーによっては、所定のサービス提供時間帯を過ぎると、ピタッと客室乗務員の動きが無くなり、「何をしているのかなぁ」と思う時がある。
もちろん、せわしなく客室内を動かれるのも邪魔ではあるが、コールボタンを押して客室乗務員を呼び出すのは体調が悪い時とかでないと、周りに気兼ねして遠慮してしまう。
常に乗客に目配せして、お客さんの要望を、コールボタンを押さずとも雰囲気でつかんでくれる客室乗務員に出会うと、なんだか嬉しくなる。
これはなぜか客室乗務員個人ではなくクルー単位である。気が利くクルーはその客室乗務員全般的に気が利くし、気が利かない客室乗務員がいるとクルー全体の気が利かない。
旅客客室サービスといっても会社によってコンセプトが違うようだ。
例えば、飲み物サービスに関して、ある会社は乗客が寝ている場合「サービスを遠慮させていただきました」の張り紙の仕組みがあるが、同業の別の会社はそのシステムがない。
張り紙でのお知らせシステムがないと寝ていたときはその後なんだか頼みずらい。
自己主張が強くない人には言われない限りサービスを提供しないよ、と言うスタンスなのであろうか。
しかしこれでは、接客歴の浅い客室乗務員は、「お客さんに直接的に言われなくてもお客さんの要望を雰囲気で感じとる」訓練が積めないのではないだろうか。
「社風」の源は、もちろん「サービス基本方針」や「手順」をどのように組織が規定するかによる所が大きいと思うが、マニュアルには出てこないそのクルーのリーダーの雰囲気はいい意味でも悪い意味でも、客室乗務員全体
に伝播する。
人は何かをお手本にして行動が身についていくものだとあらためて感じたのである。
(※メルマガ:自分を変える”気づき”ロジカルシンキングノススメ(第4号)より)
http://archive.mag2.com/0000218071/20070128050000000.html?start=120