2009年6月22日に公正取引委員会がセブンイレブン・ジャパンに対して「加盟店の弁当などの値引き制限」について排除措置命令を出した。
そして、併せて、セブンイレブン・ジャパンに対して、「値引きマニュアル作成」も命令した。
つまり、公正取引委員会は「本部が加盟店より優越的地位にあることを利用して不当な取引を実質的に強いている」と判断したわけだ。

このニュースを聞いた時に、
「排除措置命令だけでなく“値引き販売のマニュアル作成をセブンイレブンに要求する”あたりは、本部と加盟店の取引ルール(仕組み)を明確にするという点で評価できる措置だな」
と感じた。

しかし、この問題の本質は、「売れ残りが予想される商品の見切り販売(値引き販売)のルールが不透明である」ということではなく「廃棄損失発生時の負担が加盟店に一方的に掛る点」ということである。
つまり、「廃棄損失の本部と加盟店の負担に関する仕組み」が改善されなければ、コンビニエンスストアという業態のビジネスモデルやブランドイメージが崩れていくことになるのだ。
したがって、「公正取引委員会の改善命令は方向性がなんだか違うのではないか?」と感じた。

たとえば、「廃棄損失コストを加盟店に全額負担させたまま値引き販売」を正当化すると、
・価格競争が激化する
・商品が常に揃っていない状態が生じる
・定価販売の原則が崩れブランドイメージが下がる
といった状況を作り出す。

しかし「コンビニエンスストア」の使命とは、まさしくお客さまに対して、
・開いててよかったぁ
・欲しい商品が常にある
・商品がしっかりしている分、商品管理が厳格
といったイメージと実態を提供するべきものなのだ。

加盟店が「値引きに走らざるを得ない状況」を作りだした元凶は、
「損失金額の加盟店全額負担」
である。
コンビニエンスストアが飽和しておらず、市場の購買力も高かった時代は、加盟店は「不公平感」を感じつつも「儲けが出ているから、廃棄損失を全額負担しても、まぁいっか」という状態だったのだろう。
コンビニ業界が成熟したことと、不況による市場の購買力低下で、今まで「蓋(フタ)がされてきた」部分が「加盟店の不満となって爆発」したのが、今回の排除命令の発端であると思う。

そんな風に、このニュースを捉えていたら、6月23日にセブンイレブン・ジャパンは「7月1日より、廃棄品原価の15%を本部負担とする」という対応策を打ち出した。
このことは、「今まで加盟店にだけ廃棄損失負担を掛けてきてすまなかった。本部も損失に対して負担するから、その代わり値引き販売は原則的に認めないですよ」ということだ。

以上より、セブンイレブン・ジャパンの不十分だった点は、「加盟店から値引き販売の要望が出てきた時点で、廃棄損失負担に関する本部と加盟店の取り決めをどうして見直さなかったのか?」という点に尽きる。
マネジメントの原則で考えれば「供給者との互恵関係」が本部に欠如していたということなのだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ130号より)

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