2009年6月25日に「テプラ」、「ピータッチ」などの商品名で知られる「ラベルライターの発明対価」に対する控訴審判決が知財高裁であった。

この裁判は、ラベルライター発明者(社員と元社員)が「ブラザー工業」に対して約4億円の発明対価を求めて起こしたもので、1審の東京地裁判決では対価を約3700万円と認定され、今回の高裁ではこの地裁での判決を変更し、約5600万円を支払うように命じたのだ。
1審より「ラミネート加工の発明は、他社製品との差別化をはかるうえで重要」と評価され、対価が上がった。

もちろん、2人は
・社員として会社の指示に基づく業務を実施している
・社員として所定の給料や発明手当(8万円と16万円)をもらっている
から「あらかじめ社内で規定された業務とそれに対する報酬をもらっているのだから、それ以上の対価を望むのはおかしい」という企業からの論理もわかる。
ただ、一般的な大企業における「業績に対する役員報酬」などと比較すると、テプラやピータッチとしてこれまでに約3000億円の売り上げがあったというから「約5600万円」は約0.02%であり、まだまだ「発明した技術者に対する対価」は低い気がする。

社員による発明対価の裁判では、青色ダイオードの日亜化学工業やフラッシュメモリーの東芝が有名であるが、おそらく、これらの企業は、こういった裁判結果以降、「社員の発明対価に関する報酬規程」を見直しているだろう。
現在、これらのような訴訟には至っていない予備軍企業は「発明者に対する公平性を考慮した報酬規程」に見直しを実施し、過去の成果に対しても、それ相応の処置をしておくことが必要なのだろう。

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