2009年6月10日付のフジサンケイビジネスアイが、JR東日本が6月20日より「5000円で乗り放題乗車券を発売」することを報じていた。
(※学生は3500円、小学生以下は2000円)

記事では、(※記事を要約)
・乗車券の利用期間は7月20日~8月31日と9月の休日を含む連続2日間
・乗車区間は、関東各都県と福島、長野、新潟など12都県の普通列車
・JR東日本と提携したのは、東京湾フェリー、京浜急行バス、上田交通、富士急行など7社
・別途、特急券を支払えば、特急列車の利用も可能
・JR東日本の5月の鉄道営業収入は前年同月比8.5%減
(統計を取り始めた1992年以降4番目の下げ幅)
・中長距離路線の減少率は17.4%と最大
・JR東日本は6万枚の発売を予測
ということが報道されていた。

つまり、今回の「5000円乗り放題乗車券発売」は、
「高速道路料金の値下げの影響により、JR東日本の営業収入が急激に落ち込み、その緊急対策として関連する他社とコラボレーションを講じた戦略」
ということだろう。

ただ、気になるのは「営業収入の落ち込み原因」が「高速道路料金の休日値下げの影響」であるならば「なぜ、夏休み期間を中心とした販売なのだろう?」と思う。
5月の落ち込みは、おそらく日程ごとにチェックすれば、GW(ゴールデンウィーク)だけではなく、他の週末も落ちているのではないかと思う。

また、この時期には、同種の乗車券として「青春18きっぷ」がある。
「青春18きっぷ」と購買層が競合して、単に「青春18きっぷ」の売り上げが落ち込むだけではないだろうか。

また、値段設定も気になる。
「5000円」という料金は、「大人一人分」で考えれば、「東京⇔会津若松(福島)」間の約半額であるが、「高速道路料金の値下げにより鉄道から電車利用へ転換した客層」は「ファミリー層」ではないだろうか。
そうだとすると「ファミリー層」には割安感は少ない。

と、ここまで考えたところで、「JR東日本の戦略」は、「高速道路利用に流れた客層を奪い返すことではなく、高速道路の影響で利用者が落ち込んだ分を、もともと鉄道を比較的利用する客層に対して消費(鉄道利用)を促させ、売上を伸ばすことを目的にしているのではないだろうか」と思った。

上記のように考えると「乗車券の発売価格」は妥当性がありそうだ。
例えば、私なら一人旅をよくするので、「5000円乗り放題」はとてもありがたい。
もともと旅行の予定が無くても「どこかに出かけてみようかな?」という気分にさせる。ただ、「利用期間」に関しては、妥当性があるといえるのだろうか?
「5000円乗車券の利用者アンケート」を部分的に実施して、この「JR東日本の戦略」が「目的に対して成功といえる計画か否か」が検証できると面白いと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ128号より)

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