特に、衣料品の売り上げが全体の4割を占める百貨店業界では、昨年の金融危機以降の消費の急激な落ち込みに対する浮揚策として「下取」という方法が取られている。
「下取」の話をする前に、間違えやすいので、「下取」と「買取」の違いを整理しておく。
『下取』
・新たな商品を購入することを前提に、使用していた商品を引き取ること
・使用していた商品の中古品としての再流通は前提としていない
『買取(使用していた商品)』
・中古品としての再流通を目的としている
・例えば、地金など中古品の素材購入が目的の場合がある
つまり、「下取」の基本的な目的は、
『販売促進策』
なのである。
消費者心理として、景気の先行きが見えず、消費意欲が減退すると、通常の方法で流通業界が商品の広告宣伝をしても、自宅に「使用できる家具や家電製品、衣料品」などがあれば、「まだ使えるんだから買うのはやめとくか」となる。
また、昨今では、不用品として処分したくても、多くの自治体で家庭ゴミとしてプラスαの有料回収となる。
そうなると、余計に「買い控え」が生じる。
しかし、「下取」は、消費者の廃棄品処分の手間やコスト増も解消してくれる。
整理すると、「下取」は、
・家庭から使える古い商品を吐き出させる
・家庭から処分が面倒な使えない商品を吐き出させる
事によって、新たな消費を生み出すことが狙いなのだ。
話は変わるが、昔から「下取」や「買取」をうまく計画して販売促進策にしているのが、ジュエリー業界である。
ジュエリー品の場合は、生活必需品というよりファッション性が強い。
要は、結婚指輪など「一生保有するもの」を除けば、ジュエリー品とは「流行り廃りもの」「いずれは飽きがくるもの」であるから、常に「これ欲しいなぁ」という購入動機を、どのように作りだすのかが勝負の分かれ目となるビジネスなのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ126号より)
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