友人が「脱サラしてなんか経営したいなぁ」というので、「何をやろうと思っているの?」と聞いた。
すると、「複合カフェがいいかなぁ」という。

言わずものがであるが、「複合カフェ」という業態が登場してから、なんだかんだでもう10年ぐらい(2000年頃?)になるであろうか。
当時の「複合カフェ」に対するイメージでは、「マンガ喫茶付加価値が加わったもの」程度の認識だ。
実際、本当の初期のころは、マンガ喫茶の片隅にパソコンが数台置いてあって、ネット検索やフリーメールアドレスを取得してメールのやり取りをする人がわずかにいる程度だったと思う。

また、話がちょっとずれるが、今では、喫茶店チェーンのルノアールやマクドナルドなど一部のファーストフード店でも「インターネットが利用できます」の看板をたくさん見かけるようになり、「喫茶店でパソコンを利用しやすい環境」が世間では常識のように広まっている。
しかし、ひと昔前は、「事務所以外でパソコンを使って作業したい人」にとっては、外に出てしまうと「難民」だった。
つまり、喫茶店で原稿を書いたり、書類を整理したりすることで長時間滞在するのは、なんとなく許されても、ノート型のパソコンを広げて作業していると露骨に嫌な顔をされた。
そんな時代に登場した「複合カフェ」は外でパソコンを利用する人にとって救世主だった。

筆者は、今でも複合カフェを利用する際は「PCの使用」ができればOKで、漫画やDVD、飲み物などのサービスは充実していなくても一向に構わない。
(その他に望むとしたら分煙されていること、ぐらい)
しかし、現在の複合カフェ(ネットカフェ)の基本的サービスは、
飲食、漫画・新聞・雑誌、インターネット利用、オンラインゲーム、映像や音楽ソフト、シャワー室、仮眠スペース、ビリヤードやカラオケなどのサービスが備わっていないとお客さんが入らない。
つまり、「複合カフェ」という業態が成熟してきてしまったのだ。

また、設備やサービスが複合カフェの草創期と比較して充実してきたので、それに伴うリスク、たとえば、
・長期滞在者による料金不払い
・不正アクセスなどネット犯罪に利用される
・誹謗中傷など名誉棄損に相当する書き込みに利用される
・店内備品の万引きや設備・ソフトの破壊
・利用者の持ち物の盗難
も増えている。

また競合他社の増加により、料金やサービスシステムの複雑化やそれに伴うスタッフのサービス品質向上(知識やマナー)など店舗運営管理面も相当レベルアップさせることが求められる。
したがって、「リスク対応」や「サービスの質向上」に伴う元手が業界草創期に比べて相当掛かる。

冒頭の友人との会話に戻ると、そんなような話を友人にした。
どんな商売でも同じであるが、
「最初はアイディア勝負」、次は「コンテンツの充実」そして「サービスの質向上」というステップを踏む。
つまり、複合カフェを元手資金の少ない我々が始めようとしたら、業界がほぼ成熟した現在では、ふつうに勝負したら相当大変なのだ。
当たり前であるが、ビジネスは、
・業界の黎明期を狙う
・業界成熟後はスキマを狙う
が成功するチャンスなのだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ122号より)

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